政府が名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て関連作業を衆院選後まで見送るのは「辺野古は過去の問題で争点にはならない」と矮小(わいしょう)化する態度とは裏腹に、選挙への影響を強く意識していることを物語っている。沖縄県知事選で新基地建設反対の翁長雄志氏を支持した「建白書」勢力が全4選挙区で候補者を擁立、自民候補と対決することから、選挙期間中の現場の混乱を警戒したことも理由に挙げられる。(政経部・福元大輔)

キャンプ・シュワブ沿岸部に再設置された浮桟橋を撤去する作業員=22日午前9時24分、名護市辺野古

 埋め立てを承認した現職の仲井真弘多知事に対し、翁長氏が10万票の大差をつけて勝ったほか、那覇や名護の県議補選でも自民党公認候補が敗れる「番狂わせ」(自民党県連関係者)が起きた。

 政府は「辺野古だけが争点ではなかった」と平静を装い、海上作業を強行する姿勢を示したが、知事選や県議補選と同じ構図になることが予想され、方針を見直した可能性がある。

 辺野古の現場では20、21の2日連続でけが人が出た。翁長氏は「初めから政府とけんかするつもりはない」と語っており、12月10日の翁長氏就任前にこれ以上の混乱を起こさないよう慎重な意見があったという。

 一方で、菅義偉官房長官が知事選の結果にかかわらず、「辺野古への移設作業を粛々と進める」と語ったこともあり、中断すれば整合性がとれないといった指摘や、選挙のたびに作業が滞ることも懸念されたが、最終的に政治判断で当面の作業を見送ることで落ち着いた。

 県関係の自民党衆院議員4人は2年前の選挙で「県外移設」を掲げながら、昨年12月の埋め立て承認前に「普天間飛行場の危険性除去が一番の目的で、辺野古を含むあらゆる手段を排除しない」と辺野古容認にかじを切っている。

 自民党県連の関係者は「海上作業の中断はプラスでもマイナスでもない。県連から求めたわけでもない。逆に選挙に利用するズルいやり方と思われたくない」と困惑している。