城間幹子氏が那覇市長に就任し、新しい市政のスタートを切った。

 行政的にも政治的にも強いリーダーシップを発揮した翁長雄志前市長の後継として、その政策をいかに深化させていくのか、手腕が試される。女性であることを、ことさら意識する必要はないが、有権者の半分を占める女性たちの声を大切に、子育て支援や福祉政策などで城間カラーを出してほしい。

 前副市長の城間氏は、県知事選と同時に実施された16日の那覇市長選で、過去最高となる10万1052票を獲得。相手候補の与世田兼稔氏に4万3千票以上の大差をつけて勝利した。

 市議会保守系の新風会ほか共産、社民、社大など「相乗り」で支援を受ける新しい構図の選挙となり、県都那覇においては初の女性市長誕生となった。

 長く教職にあって行政経験が少ないにもかかわらず、これだけの票を集めたのは「翁長市政の継承」への評価と、「初の女性市長」への期待である。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を前面に打ち出し、知事選に当選した翁長氏とのセット戦術も奏功した。

 さしあたっての課題は、城間氏が七つの約束として公約に掲げた「待機児童ゼロ」「中心市街地活性化」「30人以下学級の実現」「那覇軍港の跡利用」などである。

 選挙戦で競った「夢」や「安心」の未来を手に入れるためにも、まずは厳しい現実に目を向けたい。

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 七つの約束の中で最重要と位置づけるのは、認可保育所に入れない待機児童の解消である。

 4月時点の那覇市の待機児童は439人で中核市の中で最も多い。前年より定員を191人増やしたが、それでも待機児童は減らない。受け入れ先の整備が利用希望に追い付いていないのだ。

 来春からスタートする「子ども・子育て支援新制度」では、親が求職中やパート勤務でも利用が可能となるため、保育希望者はさらに増えると予想される。

 認可外施設に通う潜在的待機児童や、預け先があれば働きたいという保護者も視野に、これまでにない思い切った手法と、取り組みのスピードアップが必要だ。

 さらに5歳児保育の問題では、幼稚園の預かり保育の拡充だけでなく、保育所の5歳児枠の拡大で負担の重い「二重保育」の解消を急ぐべきである。

 女性の活躍を後押しする政策との視点を大切にしたい。

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 暮らしを支える分野に目を向けると、市民の30人に1人が生活保護を受けるなど、県平均を上回る保護率が扶助費を大きく押し上げている。

 教育の充実強化として約束する30人以下学級はとても魅力的だが、財政負担を伴う施策でもある。

 高齢化が進み、単身世帯が増え、人口が減少していく社会で、どこにどれだけ予算を配分するのか。求められるのは、異なる意見を調整し、徹底した対話で出口を見いだす「行政力」である。