【平安名純代・米国特約記者】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対を訴える翁長雄志氏の勝利で熱気に包まれた沖縄とは対照的に、米側では冷ややかな見方が広がっている。「埋め立て承認が白紙に戻されない限り、県内移設中止要請に関する協議に応じる必要もない」と現行計画を推進する姿勢に揺らぎがない。

 「選挙の翌日に簡単な声明を発表する予定だが、たとえ翁長氏勝利でも現行計画を進めることに変わりはない。辺野古の埋め立て承認が白紙化されない限り、工事も計画通り進んでいく」。米国務省高官は2日後に迫った知事選について、そう淡々と言葉を重ね、選挙結果が移設に影響しないとの説明を繰り返した。

 16日に投開票された知事選の翌日、国務省で開かれた定例記者会見でラスキー報道部長は「(知事選の)結果にかかわらず、米政府は日米間の合意を遂行する」と表明。その言葉通り、翁長氏勝利のわずか3日後に辺野古では工事が再開された。

 「普天間飛行場の国外県外移設、それから県内には造らせない、新辺野古基地は造らせない」-16日夜に那覇市の事務所でそう宣言した翁長氏は、訪米して米側に直接、問題を訴える意欲も見せている。

 しかし、前述した国務省高官は「仲井真弘多知事は日米合意の見直しを公約に掲げながら埋め立てを承認した。新知事による不承認や承認取り消しは日本国内の問題だ。承認が白紙化されない限り、辺野古移設中止要請に関する協議に参加する必要もない。名護市長の訪米時と同様、担当レベルが要請書を受け取る対応になるだろう」と述べた。日本政府が代執行を可能にする行政訴訟なども視野に入れていることから、問題の長期化も想定しているなどとの見解を示した。

 一方で、国防総省当局者は「仲井真知事も米側と直接交渉しようとよく訪米したが、最後は普天間の5年以内運用停止要請など迷走した」と県単独の訪米要請行動に疑問を提示。「(辺野古の)工事はすでに始まっている」と冷めた見方を示した。