【東京】自民党は25日、来月2日公示の衆院選で掲げる政権公約を発表した。米軍普天間飛行場の返還について「名護市辺野古への移設を推進」と明記し、日米合意に基づく政府方針に沿った現行計画を進める方針を示した。「沖縄の負担軽減を実現するため」との前置きや、「在日米軍再編を着実に進める」など普天間移設に関する部分は、昨年の参院選時の公約とほとんど同じ表現で、辺野古移設反対の翁長雄志氏が圧勝した県知事選の結果を考慮した様子はうかがえない。

 公約では、経済政策「アベノミクス」を継続し「地方に実感が届く景気回復を加速させる」と打ち出した。政府が7月に行使容認を閣議決定した「集団的自衛権」の文言は明示しなかった。安倍晋三首相(自民党総裁)は発表に先立ち党本部で開いた全国幹事長会議で「賃金は必ず上がり、国民生活は豊かになる。この道しかない」と強調した。

 沖縄振興については「国家戦略として沖縄振興策を税財政含めて総合的・積極的に推進」と盛り込んだ。振興策について党本部は「一括交付金」も含むとしている。

 駐留軍用地の跡地利用を進めることも明記した。

 景気回復の具体策として、物価安定目標2%の早期達成に向け、大胆な金融政策を続行。日本経済の競争力向上のため法人税率を数年で20%台に引き下げると説明した。「住宅エコポイント」の復活も盛り込んだ。

 消費税率10%への引き上げを1年半延期した一方で、2020年度までに基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する目標は堅持。「達成に向けた具体的な計画を来年夏までに策定する」とした。

 地方創生をめぐっては(1)自由度の高い交付金制度の創設(2)地域商品券の発行支援(3)農家の収入減少時の保険制度導入検討-などを明記した。

 安全保障に関しては、「戦後初めての安全保障政策の立て直しにも挑戦」していると言及したものの集団的自衛権には直接触れず「切れ目のない対応を可能とする安保法制を速やかに整備する」との表現にとどめた。