国際物流ネットワークを生かし、成長するアジアの活力をどう引き込むか-。一つの取り組みが、沖縄を舞台にしたビジネスマッチングの展開である。

 国内最大級の国際食品商談会「第1回沖縄大交易会」(主催・県、沖縄懇話会)が27、28の両日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターと同市立体育館で開かれる。

 昨年11月に開かれたプレ交易会に続くものだ。今回は、県内を含む国内の食品事業者(サプライヤー)201社、国内外162社の仕入れ担当者(バイヤー)の計363社が参加。日本全国の特産品などの海外販路拡大に向けた商談会が行われる。

 アジア市場をにらんだ商談会の基盤となるのは、全日本空輸(ANA)が2009年から展開している「沖縄国際航空物流ハブ」事業である。

 那覇空港を拠点に国内4カ所、アジア8カ所の12主要都市を結ぶ航空物流ネットワークを構築。那覇に集積した貨物を短時間で積み替え、アジアの空港などに分散させる「ハブ&スポーク」方式と呼ばれる効率的な輸送形態を実現している。

 この物流インフラを活用したビジネス展開は、宅配業大手のヤマトホールディングスが、12年から国際宅急便事業に乗り出し、国内発の貨物を最短で翌日には香港やシンガポールなどに届けている。

 県内でも香港向けの豚肉輸出などが伸びており、これに刺激を受け海外展開を目指す企業の動きが出始めている。大交易会がこの機運に弾みをつけることを期待したい。

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 昨年のプレ交易会にはサプライヤーとバイヤー合わせて233社が参加した。計1840の商談があり、成約率は約25%だった。

 ただ、前回指摘されたのは、サプライヤーが売り込みたい商品とバイヤーが求める商品が食い違う「ミスマッチ」が発生したこと。

 今回は、ミスマッチを減らすため、8月にインターネット上に専用のマッチングサイトを開設。主催者は、事前商談などを通し、成約率を40%に引き上げる考えだ。

 前回は英語の商品説明や価格一覧がなく、バイヤーから最低限必要な基礎資料の不足なども指摘されたという。

 サプライヤーには、商談会に臨む基本的な資料や市場動向の把握はもとより、商談後の数量変更や商品の改良などバイヤーの要求に応える対応も欠かせない。

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 県は沖縄21世紀ビジョンで「アジアと日本の懸け橋となる国際物流拠点の形成」を掲げ、県内事業者による海外展開の促進をうたっている。

 那覇を拠点に飛行4時間圏内に人口20億人を抱える巨大なアジア市場が存在する。人口減少で国内市場の縮小が予測される中、県内企業も、海外市場を視野に入れた戦略が求められるだろう。

 今回の大交易会に合わせて県内業者向けに、貿易実務や海外の実情を学ぶセミナーが実施された。海外に通用する技術力と実務に精通した人材の育成が鍵をにぎる。大交易会を企業競争力向上の足掛かりにしてもらいたい。