つじつまが合わないことで法律を強引に解釈し、都合がいい結果を得ようとする役人や法律家を法匪(ほうひ)と呼ぶ。名護市辺野古の新基地建設に向けた国の動きにその言葉が浮かんできた

▼沖縄防衛局は埋め立て工事の変更申請4件のうち、「美謝川の水路切り替えルートの変更」を取り下げる文書を27日、県に提出した

▼美謝川のルート変更には、県側は「環境への負荷が増す」「生物への影響が大きい」と難色を示していた。内部から「筋が悪い」とされ、厳しい判断も予想されていたという

▼計画変更は、建設に反対する名護市の権限を排除するために提出されたとみられている。困難とみれば、取り下げる。あまりにも泥縄式だ。知事選をみれば、変更だけではなく、建設そのものがすでに「無理筋」なのである

▼東京での勤務中、ある官僚から「役人は与えられた仕事を進めることが第一。その結果が昇進を左右する」と聞いた。建設を強行する安倍内閣の命を受け、担当者が理屈をこね、工事を進めようとする。その目には地元は映らず、永田町や霞が関しか向いていないのだろう

▼申請への判断は翁長雄志新知事に託されるべきだ。県民の審判で敗れた仲井真弘多知事が承認の判断を下すことがあれば、県政の汚点になるだけではなく、民主主義を否定する暴挙にしかならない。(与那原良彦)