衆院選はきょう2日公示され、14日の投開票に向け12日間の選挙戦に入る。県内有権者にとっては、知事選からわずか1カ月足らずのうちに二つの大型選挙を経験することになる。

 沖縄選挙区(1~4区)は、知事選で浮上した新たな政治潮流を反映し、従来にない構図になる見通しだ。最大の争点は、やはり辺野古問題である。

 なぜ沖縄で、選挙のたびに繰り返し、辺野古問題が争点になるのか。

 戦後、米軍統治の下で過重な基地負担を強いられてきた沖縄に、移設名目であれ、恒久基地を建設することは、公平・公正の原則に著しく反し、県民の尊厳や誇りさえ傷つけるからだ。

 過去2回の衆院選を思い起こしてほしい。2009年の前々回の衆院選で自民党県連は沖縄選挙区で全議席を失った。

 前回、12年の衆院選では、党本部と異なる「県外移設」の公約を掲げて戦いを挑んだ結果、比例区で復活した候補者を含め4人全員の当選を果たした。

 自民党本部は選挙の際、県連の公約を「黙認」していながら、いざ政権の座につくと、当選した沖縄選出の議員を説得、威圧し、「県内移設容認」へと公約を転換させた。それが呼び水になって仲井真弘多知事の埋め立て承認につながったことは周知の通りである。

 「県外」から「県内容認」に転換した以上、そのことの是非がまず問われなければならない。

    ■    ■

 安倍晋三首相がこの時期に突然、衆院を解散したことについては、全国の有権者から「大義なき自己都合解散」との批判が強い。消費税の再増税先送りが選挙の争点になりにくいのは確かである。

 ただ、こうなった以上、安倍政治に対する審判の機会が与えられた、と積極的にとらえ直したほうがいい。

 候補者を擁立する与野党9党は、それぞれが重視する争点を掲げている。経済政策「アベノミクス」の是非、閣議決定に基づく集団的自衛権の行使容認、安全保障政策の急転換、社会保障、原発再稼働、東日本大震災の被災地復興、地方再生、政治とカネなど、論ずべきテーマは多様である。

 争点を絞ることが難しいだけに、論戦が拡散し、あいまい化する恐れもある。沖縄の場合、激しい選挙戦となった知事選の直後だけに、有権者の選挙疲れや師走のあわただしさで投票率が低下するのではないか、とも懸念される。

    ■    ■

 12年の衆院選小選挙区で、自民党は有効投票総数の43%の得票率だったのに対し、獲得した議席は237議席で、全議席の79%にも達した。恐るべき議席占有率だ。

 得票数と獲得議席の隔たりがあまりにも大きい。小選挙区制度に欠陥があるのは明らかである。少数意見を尊重し、丁寧な国会論議を尽くす必要があるのは、一つには、こうした事情があるからだ。

 この2年の安倍政権はどうだったか。衆院選はそのことを問う機会でもある。