家のポストに、見慣れたはがきを見つけた。名護市選挙管理委員会の印の入った「投票所入場券」だ。1月の市長選に始まり、名護では今年5度目の選挙が、きょう公示される

▼12月14日投開票の衆議院選挙は、県内全4区に9人が立候補を予定している。この解散総選挙の大義を、安倍晋三首相は「アベノミクスの検証」だと繰り返しているが、県民との意識のズレは明白だ

▼昨年末の仲井真弘多知事の埋め立て承認から続く市長選、9月の市議選、11月の県知事選と県議補選、そして今回の選挙と、有権者にとって最大の争点は辺野古への新基地建設。その都度、明確に民意が示された

▼しかし移設手続きを強行し、大敗した県知事選を覆い隠すかのような唐突な解散劇。違和感を抱いた人は多かったはずだ。目前に迫る国政選挙は、全国に沖縄の基地問題を問う場となろう

▼特定秘密保護法や集団的自衛権の行使容認など、国の在り方を考え直す、いい機会でもある。戦争への道を二度と歩まぬため、国民が意思を示す確実な方法だ

▼震災や原発、基地問題と民意が踏みにじられる現状を憂い「政府が国民に向いていない」と嘆いた名優・菅原文太さんが世を去った。がんと闘う体を押して沖縄に駆け付けてから、わずかひと月。その思いを胸に、国民の声を届ける一票を投じたい。(儀間多美子)