第47回衆院選は2日公示され、14日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まった。沖縄4選挙区には前職7人、元職1人、新人1人の計9人が立候補を届け出た。

 立候補したのは、1区が共産前職の赤嶺政賢氏、自民前職の国場幸之助氏、維新元職の下地幹郎氏の3人。2区は社民前職の照屋寛徳氏、自民前職の宮崎政久氏の2人。3区は自民前職の比嘉奈津美氏、生活前職の玉城デニー氏の2人。4区は無所属新人の仲里利信氏、自民前職の西銘恒三郎氏の2人。

 出そろった顔ぶれからは、知事選で形成された新たな対決の構図が衆院選にも持ち込まれたといえる。

 米軍普天間飛行場の辺野古移設反対の旗の下に結集した「建白書」勢力が候補者を調整し、辺野古移設容認の自民も前職を1~4区にそれぞれ擁立した。

 知事選に出馬した下地氏が加わり、有力候補三つどもえの戦いとなった1区を除き、全面対決の構図だ。

 ただ、知事選と異なるのは公明党県本部の対応である。辺野古反対の立場から知事選は自主投票にしたが、衆院選で自民候補を推薦した。普天間の県外移設を掲げながら自民と協力する整合性をどう説明するのだろうか。

 今回の選挙で、象徴的なのが4区である。仲里氏は元自民党県連顧問で、2012年の衆院選で西銘氏の後援会長を務めていた。西銘氏が当選後、公約に反し辺野古容認に転じたことで後援会長を辞任。今回、「建白書」勢力に推され出馬した。「師弟対決」ともいえる構図である。

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 各陣営の出陣式を通して浮かび上がってきたのは、自民党の候補が経済問題を前面に打ち出しているのに対し、「建白書」勢力が、辺野古移設反対と自民の「公約違反」を強調していることだ。

 各陣営ともそれぞれ都合のいい争点を押し出している側面がある。有権者の関心を引くだけでなく、耳の痛い現実も含めて、多様な選択材料を示すことが重要だ。

 例えば、自民候補は普天間の危険性除去を強調するが、辺野古で起きている現実をどう考えるのか、「建白書」勢力は、普天間の危険性除去をどのように達成するのか。有権者の疑問に答えてもらいたい。

 どの陣営であれ、どの候補であれ、きれいごとだけでなく、厳しい現実を含めて語らなければならない。その上で沖縄の将来にとって、どの選択が望ましいかを有権者が判断するのだ。

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 安倍政権になって沖縄が直面したのは、国益と県益の度重なるぶつかり合いである。

 昨年4月28日の主権回復記念式典、オスプレイの強行配備、日台漁業協定、そして辺野古への新基地建設、いずれも沖縄に犠牲を強いる内容である。

 さらに安倍政権は、これらの国策を強硬に優先する姿勢が、これまでの、どの政権に比べても顕著である。

 安倍政権の沖縄に対する目線をどう評価するか。各候補は、有権者に向かって語るべきである。