年を締めくくる師走の紙面は、振り返ることから始まる。ことしの流行語大賞は、「集団的自衛権」は「ダメよ~ダメダメ」と一文にして読みたいような、この二つだった

▼恥ずかしながら何度か聞いたのに分からなかったモノも確認した。子どもたちに人気のヒット商品「妖怪ウォッチ」を見て、かわいらしさにうなずいた

▼赤ちゃんの名前では男の子の1位は「蓮(れん)」、女の子は「陽菜」と「凜」。「陽」を使った名が多く、ソチ五輪やノーベル物理学賞受賞など「明るい話題が多かった世情」の反映だと発表元は推測している

▼女の子のトップ10で「子」の付く名前をほとんど見なくなって、ほぼ20年。大正時代から長らく「子」は主流を占めてきたが、個性重視の時代に男女の区別があまりないキラキラネームに取って代わられた

▼「子」は一般に、明治時代に女性への敬称の意味で使われ始めたと「『子』のつく名前の誕生」(仮説社)が紹介している。時の有名人、与謝野晶子や津田梅子らは後に自ら「子」を付けた。女性の活躍と軌を一にした新時代の名前だった

▼1900年以降「自分の娘の名前に〈子〉の字をつけることに抵抗がなく」なって広まり、敬称の意識は薄まっていく。100年で一巡りして「子」が新しい響きを伴い、再び人気を集めることはないのだろうか。(与那嶺一枝)