琉球大学理学部の久保田康裕准教授らの研究グループは1日、日本全域の植物分布の地図化に成功したと発表した。これまで国内では部分的な地図化はあったが、日本全域で成功した例はないという。久保田准教授は「分布図が得られたことで、生物多様性が高い地域を保護区に指定するなど、保全政策に貢献できるのではないか」と期待する。

久保田康裕准教授らグループが制作した日本の植物の多様性マップ(「Ecography」より引用、久保田准教授提供)

 グループは、国内に生息する全ての植物5614種の分布情報を地図に落とし込み、分布地図を作製。琉球諸島や本州中央部の太平洋側の地域など島や山地として独立した地域に固有の植物が多いこと、歴史的に気候が安定していた地域で植物多様性が高いことを明らかにした。

 久保田准教授は「日本は生物の多様性が高いホットスポットとして世界的に注目されている。研究成果は、自然公園の配置や拡大など、生物保全の戦略を考える上でも重要なデータになる」と指摘した。

 これまで、国内の一部や北米大陸、ヨーロッパの一部は地図化されてきたが、膨大なデータが必要なため全域の地図化は行われなかったという。研究成果は、英文雑誌「Ecography」電子版に11月17日付で掲載された。