【平安名純代・米国特約記者】米上下両院の軍事委員会は2日、2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防予算の大枠を定める国防権限法案の最終案を発表した。在沖米海兵隊約4千人のグアム移転関連予算について、これまで定めてきた執行凍結を全面的に解除することで合意。米議会はこれまで米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の見直しを唱えてきたが、沖縄県知事による埋め立て承認を受け、移設を前提とした現行計画を容認する見通し。

 複数の米議会筋によると、最終案は、米政府が要求した5100万ドル(約60億円)を全額計上。これまで盛り込んできた執行凍結条項を削除した代わりに、移転費総額の上限を87億2500万ドル(約1兆400億円)に設定する新たな条項を盛り込んだ。法案は来週中に議会を通過し、オバマ大統領の署名を経て年内に成立する見通し。

 グアム移転をめぐり、米議会は、普天間の辺野古移設を含めた米軍再編計画全体の費用や工程の詳細が不明となっていることから実現性を疑問視。12会計年度に予算執行を凍結し、13、14会計年度も一部を除いて凍結を継続。上院案は15会計年度も凍結条項を盛り込んでいたが、全面解除を求めていた下院に妥協する形で凍結条項の削除に合意した。

 凍結を解除した理由について、マケイン議員(共和)は本紙に対し、「米国防総省が凍結解除の条項に定めてきたマスタープラン(基本計画)を議会に提出した点などを評価した」と述べた。

 日本政府が09年度以降に米側に提供した資金は計9億6520万ドルで、このうち執行済みは1億1720万ドル。

 最終案は、集団的自衛権の行使を容認した日本政府の決定について「日本がより積極的に地域・世界の平和と安全に貢献することを可能にする」と評価。日本の防衛費の増額を歓迎したほか、日韓両国との安全保障協力体制の強化も歓迎する条項も盛り込まれた。