名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て工事の変更申請で、仲井真弘多知事は5日午後、「工事用の仮設道路(3本、計2800メートル)の追加」と「辺野古崎南側の中仕切護岸の追加」の2件を承認した。仲井真氏の任期は9日までで、退任4日前に、工事の進捗(しんちょく)に影響を与える重要な判断を下した。

 11月16日投開票の知事選で、仲井真氏に約10万票の大差で当選した翁長雄志氏は、繰り返し「沖縄の将来のためにも、10日就任の次期知事に判断を委ねてほしい」と求めてきた。翁長氏を支持する政党や団体は4日に約2千人で県庁を包囲し、「知事選で辺野古ノーの民意は示された」と、判断の先送りを訴えた。反発はさらに強まっている。

 変更申請3件の審査を担当する県土木建築部は同日、審査の終わった2件の結果を文書にまとめ、関係部長や副知事の決裁を得た。午後2時過ぎから那覇市与儀の知事公舎に集まり、仲井真氏に報告。最終的に仲井真氏が署名し、承認することを決めた。

 残る1件の辺野古ダム周辺の「土砂運搬方法の変更」は、審査が終わっていない。同時に提出した申請で、一部を先行させるのは県の審査では初めて。

 仲井真氏は2010年の知事選で普天間の「県外移設」を訴えて、2度目の当選を果たした。その後「辺野古移設は事実上不可能」などと実現性を困難視したが、昨年12月に移設へつながる辺野古沿岸の埋め立てを承認。先月の知事選に出馬し、落選した。変更申請については事務手続きの一つととらえ、「任期中に承認できるものは承認したい」と周囲に伝えていた。