仲井真弘多知事をよく知る県幹部や与党幹部、支持者らは口をそろえて言う。「仲井真氏は人の話を聞くタイプではない」。知事選で10万票差で敗れた仲井真氏には辺野古新基地に反対する県民の民意も届かなかった

 ▼新基地建設に向けた埋め立て工事の変更申請で、仲井真氏は5日午後、工事用の仮設道路の追加など2件を承認した。変更申請の一部承認は県内で過去に例がない

 ▼元県幹部は「知事の胸の内は誰も分からない。選挙結果などの政治的要素は関係なく、『行政手続きが整ったから承認した』というだけだろう」と事務的な判断に終始したとみる

 ▼知事や市町村長が代わるとき、次期トップ就任まで、重要な政治判断は示されないのが暗黙の了解になっている。重要な決定や人事などを決めれば、「食い逃げ」と批判されるのが常だ

 ▼自民党県連幹部は「知事の判断次第だが、任期がほとんどない時期にあえて承認しなくてもいいのではないか」と知事に伝えていた。承認に「自分の考えを押し通す性格としか言えない」と話し、衆院選への影響を懸念した

 ▼先週の小欄で、承認は県政の汚点になると指摘した。政治家が民主主義の根幹となる選挙で示された民意を踏みにじることは自らを否定することだ。仲井真氏は口をつぐんだまま。怒りを通り越して、情けない。(与那原良彦)