名護市辺野古の新基地建設に向けた埋め立て工事の変更申請で、仲井真弘多知事は5日午後、「工事用仮設道路(3本、計2800メートル)の追加」と「辺野古崎南側の中仕切護岸の追加」の2件を承認した。仲井真知事は会見を開かず、知事コメントで(1)県が定めた審査の標準処理期間を大幅に過ぎている(2)承認基準に適合している-を承認の理由に挙げた。9日退任の4日前の承認に県議会野党などから「民意に背く」「印鑑の押し逃げ」などと批判が高まっている。

埋め立て工事の変更申請を承認し、知事公舎を車で出る仲井真弘多知事(後方)=5日午後2時33分、那覇市寄宮

 県土木建築部は同日、変更申請3件のうち審査が終わった2件の結果を文書にまとめ、午後2時すぎから那覇市寄宮の知事公舎に集まり仲井真氏に報告。仲井真氏が押印し承認、留意事項として工事の実施設計で県との協議や環境保全対策などを盛り込んだ。

 残った辺野古ダム周辺の「土砂運搬方法の変更」は審査が終わらず、次期県政に先送りする。一括提出された変更申請で、一部を先行して判断するのは県の審査では初めて。県は午後4時40分、承認書を沖縄防衛局宛てに郵送した。

 2件の承認を受けたことで、防衛局は辺野古崎の南側の一部を先行して埋め立て、仮設道路とつなぎ作業ヤードとして使用することを検討している。作業を加速させる考えだが、工程の初期で予定している美謝川の水路切り替え工事のめどが立っていないなど先が見通せない状況もある。

 井上一徳沖縄防衛局長は「今回の承認を踏まえ、一日も早い普天間飛行場の返還とキャンプ・シュワブへの移設に向けて、引き続き全力で取り組む」とコメントした。

 変更申請をめぐっては、沖縄防衛局が9月3日に4件の変更申請を県に提出。変更理由を「工事を円滑に進めるため」としたが、建設に反対する名護市の関与を避ける狙いがあり、審査が難航していた美謝川の水路切り替えルートの変更1件を11月27日に取り下げていた。

 知事選で、仲井真氏に約10万票の大差で当選した翁長雄志氏は新基地建設に反対し「沖縄の将来のためにも、次期知事に判断を委ねてほしい」と繰り返してきた。翁長氏を支持する政党や団体は「民意に背く」「印鑑の押し逃げ」などと反発を強めている。