先日、雑踊「浜千鳥(チジュヤー)」の男性踊りが久米島にあると本欄で紹介したところ、本部町の知人から「ワッターシマにもあったよ」と連絡が来た。「イキガ(男性)チジュヤー」と呼ばれるそれは、結婚披露宴の余興

▼男性版「浜千鳥」は、各地の余興でしばしば見られるようだ。電話の御仁(ごじん)は「うちは妊婦の格好で踊る。盛り上がるよ」と話す。にぎやかな場面が目に浮かぶが、電話の主は「でも最近は少なくなったな」と、少し寂しげ

▼独自性をはぐくみ、人々に守られ継承される民俗芸能など、地域を取材する中で欠かせないと感じるのが、各字や区の「公民館」の存在だ。区の行事が盛んなやんばるでも、公民館は人々の生活に密着している

▼催事はもちろん、踊りや芸能の練習場になったり、区民を集めて大切な会議や集会を開いたり。地域コミュニティーの求心力を強める存在として、不動の地位を築いている

▼だが都市地区で、公民館はあまり身近ではない。筆者も公民館に行くようになったのは記者になってから。それは翻れば地域の人間のつながりの薄さ、わしたシマの意識の弱さの表れでもあろう

▼隣近所とのつきあいが面倒で、重荷に感じる気持ちは分かる。だがやんばるの人々の地域愛、文化芸能の豊かさや絆の深さは、正直うらやましくもある。(儀間多美子)