10日午前の翁長雄志新知事の就任会見での冒頭あいさつと、記者との質疑応答は次の通り。

就任記者会見で質問に答える翁長雄志知事=10日午前、県庁

【冒頭あいさつ】 

 ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。県民のみなさん、本日をもって沖縄県知事に就任しました翁長雄志でございます。先ほど高良副知事から事務引き継ぎを受けて、沖縄県知事として公務を開始いたしております。

 このたびの県知事選の結果を受けて、公約実現に全力を傾けて頑張っていきたいと思っております。基地問題につきましては戦後70年になり、0・6%の面積に74%の米軍専用施設があるのは、やはりいくらなんでも理不尽でないかとということをベースにしながら、ぜひ日本の安全保障は日本国民全体で考えてもらいたいと訴えていきたいと思っております。

 私も日米安保体制にはたいへん理解をもっているわけですが、やはり、この沖縄の過重な基地負担はぜひとも日本全体で考えて頂きたいとこのように思っております。このような認識のもと、日米両政府に対しまして、過重な基地負担の軽減、日米地位協定の抜本的な見直しを求めるところに、騒音問題や軍人軍属による犯罪など、米軍基地から生じる諸問題に取り組みたいと思っております。

 普天間基地の辺野古基地(移設)については昨年1月に東京要請をしました。普天間の県外国外、あるいは県内移設はやらないように、あるいはオスプレイの配備撤回を要請したが、残念ながら一顧だにされませんでした。

 去年の埋め立て承認を受けて、新辺野古基地が大変厳しい環境になると思いますが、私からすると、あの美しい大浦湾を埋めて辺野古の基地を造ることをやめてもらいたいと。こういうことで、これからいろんな埋め立て承認の法律的な瑕疵(かし)がないかどうか、こういうことを検証しながら専門家の意見を踏まえ判断を下したいと思っております。

 また、沖縄振興については沖縄21世紀ビジョンの発展、それから新たな沖縄振興特別措置法、土地利用推進法の制定、沖縄振興交付金の創設が実現がされている。その点については一歩一歩の前進がしていると思っている。

 来年は沖縄戦終結から70周年。その節目の中である意味、歴史の新しい一ページを開くなかで、知事に就任したことを重く受け止め、全力を挙げて頑張りたい。県政運営にあたりましてはアジアのダイナミズムを取り入れる中に、沖縄のこれからの経済発展、日本とアジアと結び付ける架け橋となる。こういう役割があろうかと思います。

 その原点となるのはこの沖縄が何百年にわたる自然、歴史、伝統、文化など守り育ててきたソフトパワーが生かせるのではないかと思っております。

 特に琉球王朝時代の万国津梁(ばんこくしんりょう)の精神、世界の架け橋になる、アジアの架け橋になる。こういったものを私たちの先祖が私たちに引き継いでくれました。

 そういう意味ではアジアのダイナミズムに対して沖縄が果たす役割は大変大きいのではないかと考えています。

 そういう中で、現に進んでいるのが国際物流拠点、情報通信産業の拠点、国際観光リゾート産業。こういったアジアを視野に入れたもろもろの産業がいま大きく開こうとしている。

 そういう中に、「誇りある豊かさを」という私の選挙中のスローガンを取り入れながら、ぜひとも沖縄県の発展に力を尽くしていきたいと思っております。

 基地の問題、経済の問題、県民生活などいろいろある。こういうことをぜひとも21世紀ビジョンの実現に向けて私自身一歩一歩頑張っていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。県民のみなさま、これからも一生懸命がんばりますので、よろしくご指導をお願いします。

 イッペー、ニフェーデービル。

【記者】

 あらためて辺野古新基地を造らせない方針や決意。承認取り消し、撤回に対する考え方を。

【知事】

 先ほどの県民の方々へのごあいさつの中でも申しあげたわけですが、やっぱりあの美しい大浦湾を埋めて新しい基地ができるというのは、どうしても今日までの沖縄の69年におよぶ事情を考えると、やってはいけないと思っております。埋め立ての変更申請などいろんな形が出されているが、これはしっかりと検証をして、まずは知事の権限でどこまで検証の中で進めていけるのか、まずは第一にやっていきたい。そういった検証の中で、法律的な瑕疵がないかどうか、瑕疵があれば取り消しが視野に入ってくる。専門家の意見を聞きながら、しっかりと検証したい。そういったものの上に立って状況の変化によっては新たな公益といいますか、そういうものから撤回も視野に入るという法律論もありますので、こういうことも考慮に入れながら、新辺野古基地は造らせないというかたちで私の県政運営の柱にしていきたいと思っております。

【記者】

 宜野湾市長から要請があった普天間飛行場の返還や危険性の除去についての知事としてどう取り組むか。

【知事】

 昨年の埋め立て承認と前後しまして、5年間の運用停止をするという4項目の措置がございますけども。ぜひともそれは可能であるなら、実現に向けて日本政府で力を貸して頂きたいとこのように思っています。ただ、新辺野古基地の建設を県政として認めるわけにはいきませんので、そのような中で考えるなら、新辺野古基地を造らせないということが普天間の固定化につながるかということになりますが、10年ほど前にラムズフェルド元国防長官ががおいでになったときに、普天間は世界で一番危険であるとの言葉を残された。やっぱり普天間の固定化はこれは大変厳しいだろうと思っております。よく代替施設は沖縄側が探すべきだとの話もあるが、戦後、沖縄は自ら基地を提供したことはない。自ら提供したわけでもない基地が世界一危険な基地になったからと言って、代替施設を考えるというのは理不尽ではないかと思う。この件は日本政府がしっかりと対応していただきたいなと思っております。

 【記者】

 辺野古移設の取り消し、撤回。検証チームをつくって瑕疵があると取り消しをすると。新たな公益を害する事由があれば撤回するとの考え。撤回に関しては、法的根拠が整えばすぐにもできる。撤回を先にする可能性はあるか。もう1点は来年春には本体工事が始まる。それまでに知事権限を行使する可能性はあるか。

【知事】

 今日まで順序立てて話をするときに、知事権限の行使と法律の瑕疵と取り消しがございます。これからひとつひとつ吟味していくが、仮定の話として、法律の瑕疵があるなしに関わらず撤回を先にやるべきではないか、やる可能性があるかという質問。取り消しと撤回の違いを勉強させていただいたが、取り消しは一番最初に戻って取り消しができる。撤回はその時点以降が法律的な効果があるというようなことと聞いている。今まで取り消しを中心に撤回ということ、その後の民意以前に、法律的な瑕疵がある方が意味合いは大きいのかなという感じがします。まずこれをやる意味において、その後に撤回を考えられるべきではないか、いま現段階ではそう思っております。これは私が選挙にあたり私なりに検証した結果の結論であります。これから専門家の皆さんと相談をしながら、いい形でいけるのであれば、順序は私からするとどちらでもいいのかなと思いますが、これは私なりの判断という意味では確たる形で申しあげられませんのでご理解頂きたい。

【記者】

 来春までに権限を行使する可能性は。

【知事】 

 期限的なものでは、権限という意味では、変更申請とかある。現段階で見た中では、なかなか変更申請の中身が乱暴だなと思っていますので、これはしっかり検証させて頂きたいなと思っております。

【記者】

 日米政府への直接要請のスケジュールは。庁議で副知事以外で政策的な専門家などのポストの新設などを考えているか。

【知事】

 日米両政府への要請はすぐ考えているかということですが、今回のことで一番意表を突かれたのが、衆院解散。本来ならば民意を受けて当選したら、数日以内にごあいさつを兼ねて行くところだったが、それが叶わなくなっております。米国への打診をする場合には、私が単独で段取りをする場合と、外務省とかと力を得ながらも考えられると思います。総合的にどういう方が効果的かのすべての材料がそろっていないもんですから。年内はいろいろ頭の中で考え、具体的に動き始めるのは年明けで、そのなかから検証していい形で効果があげられる方法がみつかったならば、それにのっとってやっていきたい。(人事ポストは)今まで政策参与というのが県の中に置かれていることもありました。政策参与という中に、基地問題も含めて経済も含めて、これから私はアジア経済戦略構想、いろいろ公約してきたこともある。そういう分野などに参考になるような形で政策参与が置けるなら考えていきたいが、具体的に基地問題、アジア経済構想に持ってくるとかはそういうところまでは煮詰まっていませんので。今は12月定例会を乗り切ることとを中心にして、それを終えてから、年を越えてからの対応になると思います。

【記者】

 幅広い政党で支援を受けた。議会対応はどうするか。

【知事】

 今回のオール沖縄あるいはイデオロギーよりアイデンティティーと、保革を乗り越えてと、今回の知事選の枠組みが出来上がっている。これの中心になるのが建白書の普天間基地の問題、県内移設の問題、オスプレイの問題。こういうことで大同団結しましょうということで今回の知事選がございました。すべての政党、会派が一緒になるということはあるとは限らないと思っております。県政の課題でいくつかにおいては是々非々でやって頂く場合もあるでしょうし、野党の自民党県連さん、公明党さんのとご一緒できるものもあると思う。基本ベースを守って県政運営をして、特に基地問題でぶれることなくご一緒にやっていきましょうということになっている。これからどういう条例とか出てくるか見えてきませんので、具体的な話はできませんが、とりあえず枠組みが決まったのはそういうことでございます。それ以外の場面のことにこうだああだとは今は言えないと思います。

【記者】

 意表をつかれた解散だったとおっしゃったが、今現在進行している衆院総選挙について。先の県知事選挙で示された圧倒的な民意が、今回の選挙にどのような影響を及ぼすと考えているか。

【知事】

 本当に突然の解散で私自身も戸惑っております。解散から1カ月もない中で、投票が行われるということであります。そうしますと、国政は色々、消費税の問題とか、TPPとか、集団的自衛権とか、いろいろ課題があると思っております。沖縄県におきましては、今1~4区、いろいろそれぞれの政策、それぞれバラエティに富んであることはあるのですが、私たちの枠組みから言いますと、やっぱり県知事選を受けての、私のその考え方を支える意味合いを強くおっしゃっているのが今1~4区までそれぞれ候補者がおります。そういう意味では基地問題が、沖縄では争点になるのかなあという感じはいたします。ただ本土というものと、それから国政選挙という意味合いにおかれますと、知事選挙とは100%直結するわけじゃありませんから、重きが置かれているという風には思いますけれど、それがどの程度、重きが置かれているかということについては、私のほうに判断の基準があるわけではありません。

【記者】

 県知事選から間もない解散、総選挙になるという政権の判断、狙いについて、沖縄の状況と関連づけた知事の見解は。各社の情勢報道だと、安倍政権、自公政権が非常に有利とされている。報道どおりの結果になった場合、沖縄、とりわけ基地問題に与える影響をどうみるか。

【知事】

 解散の意義について、突然だということで戸惑ったということがございますが、やはり私からすると、民意を受けて、ある意味ではできるだけ早く上京をし、そして本土の皆様方や、政府の担当大臣等々に要請したかったところですが、それができなくなったというようなことを含めますと、沖縄側からするとそういったものが、なかなか政策の全国的なものになり得なかったという意味では、残念な思いを強く致しております。それから、自民党が大勝するような報道がなされているということでございますが、私は沖縄問題に関しておそらくは安定過半数から上の数は、そんなには意味をなさないのではないかと。やはり日本国の安全保障の問題を、沖縄がたった0・6%に74%の米軍占有施設があるということは、自民党が大きく議席を伸ばしても、あるいはまた安定多数というような形ぐらいでもあっても、そういったものの、これまでの考え方に大きな影響ないと考えております。ですから従いまして、改めて民意が出ましたので、それをもってですね、しっかりとお話し合いをさせていただきたいなというふうに思っております。そして21世紀ビジョンの中で、沖縄がアジアと日本のかけ橋になるというようなことがしっかりうたわれていますので、それして、また内閣総理大臣の基本方針でも日本経済のフロントランナーとして沖縄が果たす役割は大きいというふうに書かれておりますので、そういったものとの意味味合いをぜひお話をさせていただいて、沖縄の役割についてご理解をいただきたいと思っています。

【記者】

 安倍政権が大勝した場合、辺野古問題でも承認が得られたと主張される懸念についてどうお考えか。

【知事】

 そこまでは、あの、どういうふうに見られるかまで、私が予測して話をするのは、もし違う考え方であれば失礼になりますのでね。私からシミュレーションを描いて話をするのは大変難しいんですけれども、いずれにしましても、その数の多さ、少なさでは、政権を担う中での多さ、少なさではそう大きな違いがない中で、沖縄問題に対処していくのではないかなというふうに思っています。

【記者】

 翁長新知事がどういう形でメッセージを発するのか、政府も注目している。あらためて基地問題、沖縄振興を含めて政府とはどのように話し合い、対応をしていくのか。

【知事】

 私も市長会の会長として稲嶺知事の場合にもそのときの枠組みの中でですね、官房長官、外務大臣、防衛大臣と議論をさせていただきました。仲井真県政の場合でも、同じ立場で、その場に座って、補佐的ではありましたがけれども、意見交換させていただきました。ですからあの場所で、どういう形で話し合いをするかというのは、それなりに、そのときのお二人の知事の発言を見ながら私なりに勉強させてもらっていますので、これからのもし私が、こういう形で話し合いをするといくことになれば、やっぱり今もっている考え方をしっかりとお伝えをし、その中からご理解を得ていくというような形になるかとは思います。ただ、そういう形のものがまたどういうものになるかについても、まだ判断できませんが、まずは民意というものをしっかりと日本政府に伝えて、そしてその中での答弁といいますか、そういったこと等を勘案しながら、しっかりと沖縄の気持ちを伝えていきたいと思っています。

【司会】

 就任会見を終わります。

【知事】

 どうも、ニフェーデービル。