【名護】大家さん守ります-。名護市の大浦湾に生息するソフトコーラルがウミウシに食べられそうになると、ソフトコーラルで暮らすエビが衝撃波を発してウミウシを追い払う。そんな海底の“助け合い”が、琉球大学理学部非常勤講師の中野理枝さん(54)と、沖縄科学技術大学院大学ポスドク研究員の藤井琢磨さん(27)の共同研究で明らかになった。1日、学術誌「ラッフルズ・ブレティン・オブ・ズーロジー」で発表した。

ソフトコーラル(上)に近づくウミウシ(下)。ソフトコーラルの下方に隠れたトゲトサカテッポウエビ(円内)が衝撃波で威嚇する行動を取った=名護市の大浦湾(藤井さん撮影)

 ソフトコーラルは硬い骨格を持たないサンゴの仲間。トゲトサカテッポウエビはソフトコーラルの枝の間に隠れて暮らす。

 ソフトコーラルを餌にするウミウシが近づくと、トゲトサカテッポウエビがハサミをパチッと素早く閉じ、衝撃波を生じさせて威嚇。ウミウシはのけ反るように逃げた。

 こうした共生関係が、飼育下での繰り返し実験と大浦湾での観察の両方で確認された。

 ウミウシを研究する中野さんは「ウミウシは弱々しく見えるが実は毒がありなかなかの戦略家。そんなウミウシが撃退されてしまうというおもしろい結果」と説明。藤井さんは「小さな生物たちのつながりが重なって生態系が成り立っている。大浦湾だけで共生関係が見られるのか、今後も調査が必要」と話した。