【多良間】8日に開かれた今年最後の牛の競り市で牛をロープで誘導する女性の姿があった。1年前に多良間島に移住し、山口畜産牧場に勤務している東京都出身の角田(つのだ)貴世さん(33)だ。角田さんは牛と自然に触れあいながら島の生活を楽しんでいる。

一仕事終え、くつろぐ角田さん=多良間村・山口畜産牧場

 大学の教育学部を卒業し、しばらくの間、野外教育の教諭として働いていた。4年ほど前に友人と宮古島に旅行し、海と空の青さにほれ込んだ。それ以来、離島巡りを続けてきた。

 多良間島との出合いは1年前。ふらっと立ち寄った先が競り市場で、ちょうどその日は牛の競り。「どこの人かも分からない私を畜産農家が家に招待してくれて。その日は早速、オトーリを回されてしまいました」と振り返る。

 初対面なのに何の疑いもなく接してくれた地元の人との巡り合いと交流に感激。「住むならこの島」と決断し、すぐに山口畜産の面接を受け、採用が決まった。移住から1年。今では牛との生活と島の自然にふれ合いながら楽しんでいるという。「将来も島で暮らしていきたいですか?」と尋ねると、「酒におぼれない人がいたら一緒に島で暮らしていくのもいいですね」と笑いながら返した。一頭一頭の牛をかわいがり、丁寧に世話をしながら瞳を輝かせていた。(長岡秀則通信員)