名護市辺野古の新基地建設をめぐりキャンプ・シュワブ沿岸部の環境影響評価(アセスメント)のやり直しなどを周辺住民らが国に求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は9日付の決定で、住民側の上告を棄却した。裁判官5人全員一致の意見。

 アセス手続きで住民の意見を述べる法的権利は認められないなどとした一、二審判決が確定した。

 安次富浩原告団長は、「裁判所は民衆から離れ、権力側に立った判断が多過ぎる。司法の中立を求め続けるしかない」と批判。弁護団の金高望事務局長は「この決定で住民が関与していないアセス手続きを踏まえた埋め立て承認について、実質的な審査の必要性がより高まった」と指摘した。原告団と弁護団は共同で抗議声明を出した。

 稲嶺進名護市長は「環境の保全は、住民の生活利益と密接に結びついており、門前払いの判決は残念」とのコメントを発表した。

 アセスをした沖縄防衛局の井上一徳局長は「一日も早い普天間飛行場の移設・返還が県民の負担軽減を図るもの。着実な実施に努めたい」と談話を発表した。

 訴訟は2009年8月に住民ら344人が提起。13年の一審那覇地裁判決、ことし5月二審福岡高裁那覇支部判決ともに、原告らの請求を退け、アセスの違法性については判断しなかった。最高裁は住民側の違憲を訴える主張を認めず、法廷を開かずに棄却を決定した。