アジアで飲食店経営や卸売事業を展開するえんグループ(又吉真由美社長)が9月から香港航空の旅客機を使って県産品の香港向け輸送事業を始めた。従来、県の補助事業を活用して全日本空輸(ANA)の貨物便で出荷してきたが、補助金がなくても継続して出荷できる体制を早期につくるため、香港航空に旅客機の貨物スペースの提供を打診、試験輸送してきた。2015年度は年間170トンの県産和牛や豚肉、海産物の本格出荷をスタートさせる。 同社は12年から県がコンテナを借り上げ、県内企業の県産品出荷を支援する補助事業を活用して香港向けの卸売事業を拡大させてきた。現地スーパーや飲食店で安定した取引量を確保する一方で、輸送体制では県の補助事業に頼っている現状を課題と捉えていた。

香港航空の旅客便を活用し県産品の海外輸出を始めたえんグループの又吉真由美社長(左から2人目)=シンガポール(同社提供)

 ANAの輸送料は県の助成を受け、通常の約4分の1。今回、香港航空は一定量の輸送が見込めるえんグループに限って、補助を受けた同水準の料金で輸送を引き受けた。えんグループにとってはANA使用よりもやや高くなるが、採算性に問題なく、試験輸送を通して旅客貨物スペースが安定的に確保できるかを検証していく。(豊田善史)