2014年の世相を1字で表す「今年の漢字」が「税」に決まった。京都市の清水寺で発表され、森清範貫主が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に特大の筆で揮毫(きごう)した

▼応募総数16万7613票で、「熱」や「嘘」を抑え、8679票で「税」が1位になった。4月に消費税が8%に増税され、ズシリと家計への負担が増したことが大きい。駆け込み消費やその反動で経済も大きく揺れた1年だった

▼漢和大辞典によると、「税」という漢字は、穀物を示す「禾」と人の着物をはがしてぬき取る「脱」でつくられ、収穫の一部を抜き取ること、剥ぎ取るの意味がある

▼税金は国や市町村の運営だけではなく、社会全体を支えるのに欠かせない。「税」が選ばれた背景には、増税だけではなく、税金の使われ方を決める政治家らの「政治とカネ」の問題への国民の怒りがあるだろう

▼12年の総選挙前に合意した衆議院の定数削減は実現せず、自らの身を切らずに国民に負担を求めていることにも反発は強い

▼安倍晋三首相は消費税の10%への増税を延期することで信を問うとしている。一方で、「大義なき解散」という批判も出ている。解散総選挙も13日に運動を終え、14日の投票で審判が下る。税の使われ方や公平さを厳しくチェックし、候補者や政党を選択することも必要だ。(与那原良彦)