第47回衆院選がきょう投開票される。

 沖縄4選挙区には9人が立候補している。前回、2012年の衆院選は、政権の座にあった民主党が自壊し、政党が乱立、4選挙区に計19人が立候補した。今回は、辺野古新基地建設反対の旗の下に結集した「建白書」勢力が各選挙区で候補者を調整した結果、少数激戦となった。

 県内では11月の知事選に続き、米軍普天間飛行場返還に伴う辺野古新基地建設の是非が最大の争点であることは言うまでもない。

 3人が立候補した1区を除けば、他の3選挙区とも翁長雄志知事を支える「建白書」勢力と自民・公明の全面対立の構図だ。

 選挙戦では、「建白書」勢力が、辺野古新基地建設反対を強く主張しているのに対し自公は沖縄振興策や産業振興など経済政策を前面に掲げ、論戦がかみ合わなかった。

 自民党は衆院選の政権公約に「辺野古移設を推進」と明記した。だが、全国的には沖縄の基地問題は全く争点になっていない。沖縄の基地問題は国民全体で考えるべき課題であり「沖縄の問題」に矮小(わいしょう)化させることは許されない。

 今回の解散・総選挙によって、約10万票の大差がついた県知事選の結果が軽視されるようなことがあってはならない。沖縄の有権者は、辺野古新基地建設の是非をもう一度明確にすべきだろう。

 知事選からわずか1カ月たらずの選挙で、慌ただしい年末の時期に重なるが、有権者の積極的な投票行動を期待したい。

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 今回の衆院選は、野党の選挙準備が整っていない隙を見計らって打って出た「大義なき不意打ち解散」だった。自民、公明両党は、「政権選択選挙」と位置付けてきたが、現実にはそうはなっていない。安倍政権の「1強体制」を継続させるのか、それとも野党のチェック機能を強化させるのか、その選択が問われる選挙である。

 そもそも安倍晋三首相が当初、解散の理由としたのは消費税再増税の延期だった。多くの政党がそれに反対せず、その結果、本来最も重要な課題であるはずの「社会保障と税の一体改革」についての議論は深まらなかった。

 解散・総選挙を通してさまざまな争点が飛び交ったが、すべてがぼやけ気味だった。この忙しいさなかに約700億円もの国費を投じて実施したわけだから、投票行動を通して国政に対する有権者の意思を明らかにしたい。

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 一つの選挙区で1人しか当選しない小選挙区制では、得票率と議席占有率の乖離(かいり)が起こりやすい。12年の衆院選で自民党は43%の得票率で79%の議席占有率を獲得した。4割の民意で圧倒的な数の力を手に入れたのである。

 今回の衆院選は、投票率の低下が懸念されている。一般的に投票率が低いと組織票を持つ政党が有利になるといわれる。

 「大義なき解散」に嫌気がさして、投票を棄権する人もいるかもしれない。しかし、一票を通して意思表示しないことには何も始まらない。