【平安名純代・米国特約記者】米上院は12日の本会議で、国防予算の大枠を定めた2015会計年度(14年10月~15年9月)の国防権限法案を賛成多数で可決した。在沖米海兵隊のグアム移転費の執行凍結を解除し、アンダーセン空軍基地の施設整備費として、政府が要求した5100万ドルを計上した。下院は4日に可決しており、オバマ大統領の署名を経て成立する。

 上院は、日米両政府が計画した在沖海兵隊約1万9千人のうち4千人のグアム移転や米軍再編の実現性を疑問視し、これまで予算の大部分の執行を凍結。しかし、米議会が予算凍結解除の条件に定めてきた基本計画書(マスタープラン)を国防総省が議会に提出したことから、グアム移転作業の促進を念頭に、下院と凍結条項の削除で合意した。

 グアム移転費の総額は約86億ドルで、このうち日本は約28億ドルを上限に資金提供する。将来的な財政負担増を避けるため、移転費総額の上限を約87億ドルとする条項を設けた。

 同法案の総額は約5771億ドル(約68兆4700億円)で、日米同盟について、米韓同盟とともに「(アジア・太平洋)地域の平和と安全の礎石」と位置付け、集団的自衛権の行使を容認する日本政府の決定を「歓迎する」と明記。

 このほか、東・南シナ海における中国の活動に関する報告書を議会に提出するよう米国防総省に要求。中国が進める「接近阻止・領域拒否」戦略についても、議会へ知らせるよう求めた。