「文章の力」をテーマに学生に話してほしいと、名桜大学の山里勝己学長に声を掛けられた。新聞記事は毎日書いているが、大勢の前で話すのは苦手。一瞬、窮したもののこれもいい勉強だと、引き受けた

▼約300人の学生に15日、記事のルールや報道の在り方、もたらす影響力などを話した。民主主義の中で「大勢に流されず、批判精神を持ち、小さな声をすくい上げる」大切さを述べたつもりだが、講演後に感想を読み、ほっとした

▼「記事を書きたい」「ジャーナリスト希望」との意見もあった。平和な時代、対立や争いを避けがちな若い世代に「批判精神」が受け入れられるか、と不安もあったが、捨てたものじゃない

▼戦時中、大本営発表をうのみにした記事で戦意高揚をあおったこと、新聞がハンセン病への差別偏見を助長したことも伝えた。疑いもなく大勢に巻き込まれる危険性を感じた学生が、その思いをどう具現化するかが楽しみだ

▼先の衆議院選挙では、全国で圧勝した自民党も、沖縄の小選挙区では全敗だった。主流と異なる様相が際だったが、それこそ県民一人一人が自ら考え、思いを示した結果だろう

▼講演後に「質問したい」と続々と手を挙げる学生に、頼もしさも感じた。これからの沖縄をどうつくっていくか。大いに悩み、考え、議論してほしい。(儀間多美子)