名護市辺野古の新基地建設反対の「民意」が出た14日の衆院選沖縄選挙区。建設推進の姿勢を変えない政府与党に対し、翁長雄志知事は15日も「民意を受け止めよ」と政府の翻意を迫っている。

(左)衆院選の質問に答える翁長雄志知事=15日午前8時50分ごろ、那覇市泉崎の沖縄県庁(右)自民党本部で記者会見する安倍首相=15日午後、東京・永田町

■辺野古移設が唯一策 首相

 【東京】安倍晋三首相は15日、自民党総裁として党本部で記者会見し、米軍普天間飛行場の移設について「辺野古移設が唯一の解決策という考えに変わりはない」と述べ、説明と負担軽減策を重ねながら移設を推進する方針を示した。

 安倍氏は、沖縄の全選挙区で自民候補が辺野古移設に反対する候補者に敗れた結果については「大変残念。真摯(しんし)に受け止めたい」とした上で、普天間の固定化を避けるために現行計画を進めると強調。県外移設を模索した民主党政権について「無駄に時間を浪費するにすぎなかった」と、解決策は辺野古移設しかないとの考えを説明した。

 菅義偉官房長官は同日の会見で、沖縄選挙区の結果を受けた辺野古移設への対応について「真摯に受け止めるが、法令に基づいて(移設計画を)淡々と進めていきたい」と強調。

 「選挙結果が移設反対の民意を示している」とした記者の指摘に対しては、1996年に日米両政府が沖縄県の要望を踏まえ普天間返還と県内移設で合意した経緯に言及し、「(返還合意後)賛成してくれた県知事、(名護)市長もいた。これも一つの民主主義ではないか」と反論した。

 今後の沖縄県への対応については「丁寧に説明しながら、理解いただけるように取り組むのは当然だ」と述べた。

■民意受け止め解決を 知事「残念だ」

 翁長雄志知事は15日午後、安倍晋三首相が米軍普天間飛行場の問題で「(衆院選を受けても)名護市辺野古への移設が唯一の解決策という考えに変わりはない」と発言したことについて「そういう発言をしたなら、大変残念だ」と述べた。記者団の質問に応じた。

 翁長氏は「名護市長選、市議選、知事選、衆院選と辺野古に新基地を造らせないという政策を掲げ、全部勝ってきた」と指摘。安倍首相に「県民の民意をしっかり受け止め、世界に冠たる民主主義国家として(辺野古を)解決してほしい」と訴えた。 

 翁長氏は衆院選選挙区の結果が出た14日深夜から報道陣の前で政府への発言を続けており、15日朝の登庁時には、衆院選の沖縄選挙区で落選した自民党の前職4人と維新の党の元職1人が比例で復活したことに「大きな輪を拡大する素地ができた」と話した。

 翁長氏は反対を掲げる名護市辺野古の新基地建設に関し「公明はぶれていない。自民ももともと県外、国外で現実的な対応として普天間の危険性除去を訴えている。維新の下地幹郎さんも『民意は辺野古を造らせない』と言った。少し輪が広がった」とオール沖縄の結集を呼び掛けた。

 新基地建設反対4氏の選挙区当選には「辺野古に基地を造らせないという民意がしっかりと大きな力になった」と強調。「安倍首相は私たちに耳を傾けると発言した。民意に留意できなければ日本はアジアでも世界でもリーダーになれない」と語った。