人口比例に基づかない区割りで「1票の格差」が最大2・13倍になった今回の衆院選は憲法違反だとして、二つの弁護士グループが15日、選挙の無効(やり直し)を求めて福岡高裁那覇支部を含む全国14の高裁・高裁支部に一斉提訴した。295の選挙区全てについて無効請求訴訟が起こされるのは初めて。来春には各地の高裁判決が出そろい、年末までに最高裁大法廷の統一判断が示される見通しだ。

「有権者全員が1票の価値を持つ選挙をするべきだ」と訴える沖縄1区原告で弁護士の林朋寛さん=15日午後、県庁記者クラブ

 総務省が公表した14日の投票当日有権者数によると議員1人当たりの有権者数が最も少ないのは宮城5区で23万1081人、最も多いのは東京1区の49万2025人だった。

 沖縄県内の有権者の投票価値は、議員1人当たりの有権者数が最少の宮城5区を1票とした場合、1区0・88票、2区0・84票、3区0・77票、4区0・85票(小数点3位を四捨五入)。

 全国一斉提訴した升永英俊弁護士らのグループは提訴後の記者会見で「1票の価値は全ての選挙区で同じでなければいけない」と訴えた。広島高裁に提訴した山口邦明弁護士らのグループは、年内に東京高裁や大阪高裁にも提訴する。沖縄1区の原告で弁護士の林朋寛さん(39)は「沖縄の投票価値が悪くなくても、国の進む道を決める選挙の前提に差のあることがおかしい。地域性の問題ではない」と指摘。「特に護憲派の議員は、立法府の議員として憲法を尊重する行動をしてもらいたい」と注文をつけた。

 最大格差が2・43倍だった2012年の前回衆院選をめぐる全国訴訟では、各地の高裁・支部で「違憲・無効」「違憲」の判決が相次いだが、昨年11月の最高裁大法廷判決は「0増5減」の選挙制度改革関連法成立を前進と評価し、「違憲状態」の判断にとどめた。

 今回の選挙は0増5減で実施されたが、最高裁が過去2度にわたり否定した「1人別枠方式」は解消されておらず、司法の判断が注目される。