「沖縄の少年非行」が深刻な局面にある。関係するいくつもの指標が、少年たちやその家族の問題を明らかにする。

 沖縄県警によると、2013年中に深夜徘徊(はいかい)や喫煙、飲酒などの不良行為で補導された少年は5万9695人に上る。前年より1万9千人近くも増えるという、驚くような数字である。

 全国と比べてとりわけ目立ったのは深夜徘徊の多さだ。今回、中学生の深夜徘徊の総数が、初めて高校生を超えるなど低年齢化も進んでいる。沖縄の夜型社会と無縁ではない。

 一方、窃盗などの刑法犯で検挙・補導された少年は1315人。そのうち中学生が全国一多い59%を占めた。刑法犯全体に占める少年の割合も33%と、全国の25%を超える高い水準で推移している。 

 沖縄の刑法犯少年の特徴に低年齢化が挙げられるが、もう一つ見逃せないのが「共犯率」である。仲間と一緒に2人以上で事件に関わる共犯率は60%で、こちらも全国一高い。

 子どもが荒れるのには理由がある。

 補導されたことを連絡しても家に親がいなかったり、いても迎えに来なかったりするケースがあるという。自分の力ではどうすることもできない家庭の問題を抱え、不良仲間が心のよりどころになっているのだ。

 「悪いことをしたら責任を取る」「社会のルールを守る」といった規範意識の醸成は重要だが、それだけでは解決しない。

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 犯罪や非行は、時代を映す鏡といわれる。

 九州地方更生保護委員会第3部による沖縄少年院を仮退院した少年の実態調査で、浮き彫りになった事実がある。

 「貧困の中、親は生活に追われネグレクト(育児放棄)状態だった」「身体的な暴力や暴言の中で育った」「地元の先輩との間にやくざのような厳しい上下関係があった」などだ。

 家計や精神に余裕のない親が、安定した家庭を築くのは難しい。経済格差が広がる中、全国一県民所得が低い沖縄で、それを自己責任と突き放せば、ひずみは子どもたちを直撃する。

 子どもを救うには親も一緒になった家族全体へのアプローチが必要だ。

 家庭の貧困対策は切実で、社会から孤立しがちな親を相談機関につなぐなど、行政は積極的に手を差し伸べるべきである。

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 少年非行は深夜徘徊を入り口に、飲酒や万引へとエスカレートしていくことが多い。初期段階でどう対応するかが大切である。 

 少年非行を調査した九州更生保護委が「夜の居場所設置」を提言している。

 寂しさや家庭の問題から、街に繰り出す少年・少女たちが気軽に立ち寄れる場所、相談できる相手がいれば、そこから公的機関につなぐこともできるはずだ。

 沖縄の未来をつくる子どもたちに関わる重要な問題である。大人がしっかり目を見開き、問題の根っこを探り、立ち直りを支援したい。