米兵の飲酒絡みの事件が相次いでいる。

 18日には、北谷町で職務質問した警察官に暴行を加えたとして、在沖米陸軍の大尉が、公務執行妨害の疑いで沖縄署に現行犯逮捕された。呼気からは基準値の2倍以上のアルコールが検出された。

 先月28日には、酒に酔った米兵が北谷町内のアパートに侵入し、住居侵入の疑いで現行犯逮捕された。今月に入ってからは酒気帯び運転の米兵が5日にうるま市で1人、6日に宜野湾市で2人がそれぞれ道交法違反の疑いで逮捕されている。

 なぜ、米兵の飲酒絡みの不祥事が続くのか。日米両政府が事件事故のたびに繰り返す「綱紀粛正」「再発防止」の掛け声はむなしく響くばかりである。

 一連の飲酒絡みの不祥事は、在日米軍が在沖4軍の構成員を対象とした外出や基地外飲酒の制限など勤務外行動指針「リバティー制度」の一部見直しを決めた直後から相次いでいる。

 米軍は今月9日から、2年ぶりに午前0~5時の時間帯を除き、基地外での飲酒を認め、酒量制限も撤廃した。

 一体、米軍は現状を認識しているのだろうか。沖縄市の桑江朝千夫市長は、在日米軍沖縄事務所に緩和の延期を求め、中部の首長らからも延期を求める声が上がっている。

 にもかかわらず、米軍側は聞く耳を持たないようだ。それとも飲酒制限が緩和できるような事件事故の防止策や綱紀粛正が担保されたのか。県民に説明してもらいたい。

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 そもそも在日米軍の夜間外出禁止令は、2012年10月に本島中部で発生した2米兵による卑劣な女性暴行事件を受けたものだ。2米兵は帰宅途中の女性を襲い、犯行当日帰国する予定だったが、県警が離沖直前に逮捕した。

 県民に大きな衝撃を与えた事件から2年しかたっていない。不安は募る一方だ。

 沖縄市で今月4日に起きたひき逃げ事件は、県警が米海兵隊の少佐を容疑者と特定、調べに対し「怖くなって逃げた」と容疑を認めているという。被害者の男性は現在も意識不明の重体だ。少佐という指導的立場にあって、かつ被害者を救護せず立ち去ったとすれば由々しき問題だ。

 県警は、逃走や証拠隠滅の恐れはないとして、身柄引き渡しは求めていないが、容疑者が基地内に逃げ込んだことで、捜査が一時的にでも日米地位協定の壁に阻まれたとすれば看過できない。本来なら日本側に身柄を移し取り調べるのが筋ではないのか。

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 米国防総省の元高官は、沖縄の米軍基地の状況を「小さなかごに、あまりに多くの卵を入れている」と例えた。

 在沖米海兵隊は、基地外での飲酒緩和実施について「隊員の品行の基準を強化し、事件事故の防止に最大限努力する」と説明している。

 だが、半年ほどのローテーションで派遣されてくる若い兵士たちに、徹底した教育ができるのか、疑問である。

 米兵の不祥事が相次ぐ中での飲酒制限緩和は、誰の目から見ても、到底容認できるものではない。