政府が沖縄への鉄軌道導入を白紙に戻す方向で調整に入った。2015年度の沖縄振興予算も概算要求の3794億円から大幅に減額する方針を固めた。就任あいさつで上京した翁長雄志知事は2泊3日かけても山口俊一沖縄担当相と会談したのみ。首相や官房長官のほか、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を担当する防衛、外務の両閣僚は日程調整を理由に会わなかった。辺野古沿岸の埋め立てを承認した仲井真弘多前知事との蜜月関係から一転、移設に反対する翁長氏に対し、政府の冷遇が際立っている。 

■鉄軌道白紙 調査費計上も見送るシナリオ検討

 【東京】沖縄県内に鉄軌道を導入する計画について、政府が白紙に戻す方向で検討を始めたことが26日分かった。政府関係者が明らかにした。1兆円近い膨大な予算や事業の採算性などを理由に白紙に戻す考えだが、政府は、仲井真弘多前知事の在任中、導入に前向きな姿勢を示してきた。辺野古新基地建設反対を訴える翁長雄志知事の就任直後の方針転換に、「基地と振興策はリンクしない」とする政府の姿勢が問われそうだ。

 複数の政府関係者によると、鉄軌道計画の白紙化は翁長氏の当選を受けて、政府や財務省内で意見が上がり、検討を始めたという。2015年度の調査費は計上するが、採算性の厳しさなどで導入を見送るシナリオを描いている。

 財務省内では以前から莫大(ばくだい)な予算に難色を示し、導入に消極的な意見が多かったというが「仲井真氏が敗れたことで重い予算を担ぐ必要はなくなった」(財務官僚)との声が出ている。

■振興予算 3500億円基準→3000億に

 【東京】政府は2015年度の沖縄振興予算を概算要求の3794億円から大幅に減額する方針を固めた。政府関係者が26日、明らかにした。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を容認した仲井真弘多前知事時代の14年度予算では、概算要求を約52億円上回る予算を決定しており、政府の方針に反し、翁長雄志知事が辺野古移設に反対していることから減額に踏み切る考えだ。

 自民党関係者によると、政府は15年度予算について、安倍晋三首相が沖縄振興予算として21年度までの確保を約束した「3千億円台」をベースに編成する見込みで、本年度の3460億円を下回る可能性がある。

 26日、内閣府で翁長氏と会談した山口俊一沖縄相は「所要額を確保するよう頑張る」と述べたが、具体的な金額には言及しなかった。

 菅義偉官房長官も同日の会見で、21年度まで3千億円台を維持する考えは示したが「これまでの予算の使い方をチェックした上で、ほかの予算と同様に査定していく」と減額に含みを持たせた。