沖縄国際大学の学生たちが一人親家庭の子どもたちを応援する活動を始めた。地元の宜野湾市教委と連携し、経済的理由で学習塾などに通えない市内の中学生に週3回、学内で勉強を教えている

 ▼市の調査によると、児童扶養手当を受給する市内の一人親世帯のうち7割は年収100万円未満。学習環境が整わず将来を見通せない子どもが学びを諦め、やがて困窮家庭を再生産するケースも多い

 ▼プロジェクトリーダーで4年生の喜友名朝也さん(22)も母子家庭で育った。経済的問題で進学を諦めかけたことが何度もあったという。「自分の力量でなく、生まれ育った環境で悔しい思いをする子を少しでも減らしたい」と活動に懸ける思いを語る

 ▼学生約30人が講義やアルバイトの合間に交代で運営するボランティア活動だが、学力アップだけが目的の「無料塾」ではない。中学生が自分の力で学習環境を整え、将来を考えるための居場所づくりを目指している

 ▼漫画やゲームの話題で盛り上がることもある。教える側も楽しそうなのが印象的だ。生き生きと活動する大学生の姿を見て「数年後のなりたい自分」を投影する中学生も多いのではないか

 ▼世代を超える「貧困の連鎖」を断ち切ろうとする若者たちがいる。明るい話題ばかりではない年の瀬に、希望の光のように映る。(田嶋正雄)