70年前の沖縄戦終結直後、傷ついたウチナーンチュの心を笑いで癒やし、励まし続けた芸人の小那覇舞天(ぶーてん)さん(1897~1969年)が生前、自作の琉歌や漫談のネタを書き留めていたメモ帳、未発表の喜劇の脚本などが見つかった。「沖縄のチャップリン」と呼ばれた舞天さんらしいユーモアあふれるネタのほか、これまでほとんど語られていない沖縄戦、米軍占領下に対する心情などが記されている。没後46年。専門家は「笑いの力で沖縄の戦後復興に尽くした舞天さんの内面や、公開されていない芸を知ることができる一級の資料だ」と驚いている。(西江千尋)

戦争で傷ついた人々の心を、笑いで癒やした小那覇舞天さん=撮影年不詳(小那覇全人さん提供)

 ■小那覇舞天(おなは・ぶーてん、本名・全孝) 今帰仁村生まれ。1945年の沖縄戦終結直後に漫談などで人々を勇気づける傍ら、同年8月には戦後初の中央政治機関・沖縄諮詢(しじゅん)委員会の文化部芸術課長に就任。本業の歯科医もしながら芸能活動を続け、照屋林助さんや登川誠仁さん、フォーシスターズ、乙姫劇団など沖縄の芸能人を数多く育てた。