【宮古島】チームワークを高め、新年に向けて決意を新たにしようと、県立宮古高野球部は12月27日、全部員で島内約60キロを13時間かけて歩いた。部員にとっては「きつい修行」の場となったが、部員のほとんどが歯を食いしばり、“完歩”。島から初めての甲子園出場の目標に向けて、冬場の成長を予感させる特別な日となった。

団結力を高めるため、一歩ずつ歩を進める宮古高の野球部員=宮古島市城辺

 藤井智監督が初めて企画。マネジャーを含め部員34人が参加し午前6時前にスタートした。「シーズンオフを利用して精神的な部分、そして感性なども養いたかった」と藤井監督。「部員同士が励まし合いながら、今日をきっかけに団結力を高めることができればいい」と語った。

 日ごろ多くの汗をかき練習に励んでいる部員たちにとっても長距離を歩き続けるのは初めての経験。

 途中、かりゆし58やモンゴル800など若者に人気の曲から校歌まで皆で歌い、冗談を言い、励まし合い、ひたすら歩を進めた。日が傾くと、雨が降り「試練」が続いた。部員は足を引きずり、苦悶(くもん)の表情を浮かべながらも出発から13時間後、すっかり暗くなった野球部グラウンドに戻ってきた。 

 けがのため数人が途中で“リタイア”したが、部員ほとんどが歩き抜いた。中には女子マネージャーの2年生、大嶺栞里(しおり)さんの姿も。「みんながいたから頑張れた」と振り返った大嶺さんは疲れた表情を見せずに、顔をゆがめていた部員を「大丈夫?」と気遣った。

 副主将の砂川将哉君は「今日の経験で、『支え合う』大切さを知った。これからの練習にも生きると思う」。

 主将の下地秀一郎君は甲子園出場のことを考え、一歩ずつ踏みしめて歩いた。「今日歩いたことは野球の試合にも通じる。負けたから立ち止まるのではなく上を目指して、一歩ずつ歩んでいきたい。チームワークや粘り強さを磨けば、甲子園にも行けると思う」と話していた。