沖縄経済の勢いが続いている。とりわけ観光や物流、ホテルや商業施設への投資などが目立っている。

 観光は、2014年の入域観光客数が過去最高を更新する勢いで順調に伸び、初めて700万人の大台を突破する見通しだ。

 那覇空港と国内、アジアの主要都市を結ぶ全日本空輸(ANA)の「国際航空物流ハブ」事業は、国際物流拠点としての沖縄の可能性を拡大している。

 昨年11月、アジア市場への展開を目指す国内の食品事業者と、内外の仕入れ担当者とのマッチングを目的に「沖縄大交易」が開催され、商談が熱気を帯びた。

 国内、国外からの民間投資も加速している。昨年は大型リゾートホテルの開業や建設のほか、既存ホテルや商業施設の買収も相次いだ。

 那覇市の国際通りでは、沖縄三越の店舗跡を利用し、お笑いステージなどを柱にした観光施設が3月に開業する。

 北中城村の米軍泡瀬ゴルフ場跡地には、イオンモール(千葉県)が県内に初進出。県内最大規模の商業施設となる「沖縄ライカム」を、今春開業する予定だ。海外からの観光客誘致も狙う「リゾートモール」がコンセプトだ。

 活発な投資の背景には、人口の増加に伴う消費拡大や好調な観光などのほか「日本経済のフロントランナー」と位置づける国の姿勢により、中長期にわたって人・モノ・カネの流入拡大が見込めるとの目算がある。

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 資本流入による経済の増勢は一方で、さまざまな課題も浮き彫りにする。

 新たな大型商業施設の開業は、近隣商業地の衰退を加速させる可能性がある。沖縄市は08年、泡瀬ゴルフ場跡地への大型商業施設進出による影響を調査した。それによると、市内の年間の商品販売額は102億円減少する見込みで、その額は市胡屋十字路周辺地域の年間販売額107億円(04年)に匹敵した。

 イオンモールが呼び込む購買人口を、近隣に環流させる仕組みが不可欠となろう。そのためには、民間任せではなく行政も加わった広域的な取り組みが必要だ。

 返還軍用地の跡地利用では、商業型開発が成功事例として挙げられる。泡瀬ゴルフ場跡地も成功の一例になるのは間違いないだろう。ただ、軍用地の跡地利用が商業施設中心の均質化した街づくりになるなら、地域独自の魅力は減少する。今後の跡地利用には「その土地」ならではの付加価値をどう盛り込むか、という視点も必要だ。

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 沖縄県は、21年度に観光客数1千万人を目標に掲げている。だが昨年末、利用者でごった返す那覇空港国内線ターミナルのトイレが使えなくなるトラブルが起きるなど、足元の対応は心もとない。

 那覇空港の受容能力の拡張をはじめ、バスやタクシーといった交通機関の確保など目標を掲げながらも克服すべき課題も多い。具体的な行動計画とそれを実行できるマンパワーが必要だ。