砂糖じょうゆで味付けした揚げ物、田楽、ドゥルワカシー…お正月に田芋料理を味わった方も多かっただろう。子孫繁栄の縁起物で沖縄の行事料理には欠かせない

 ▼田芋と言えば湧き水豊富な宜野湾市大山の特産品。大山産は、特に香りや食感が人気という。しかし、大山での作付面積や収穫は1992年のピーク時から約20年で3分の1以下にまで減少している。パイやケーキなどの加工品も数あり需要は多いが、供給は不足気味

 ▼宜野湾市は、40年以上前に都市計画を決定、農地を集約して開発する方向性を決めた。しかし、残す農地の場所や面積など関係者の合意形成ができないまま、周辺地域の開発や農家の高齢化、後継者不足などが進み、作付けが減っている

 ▼現時点で地権者が農地として存続を希望する面積では「産業として成り立たなくなる」と、大山田芋生産組合長の石川達義さんは危惧。市が指導力を発揮することを期待する

 ▼市も市民・消費者に田芋の魅力をPRするなど対策を進めているが、決定打は出せていない

 ▼米軍基地に多くの土地を奪われ農地の少ない宜野湾市で、伝統があり知名度も高い田芋が衰退することがあれば、こんなに残念なことはない。農業だけでなく広い分野の関係者が知恵を絞り特産品として守っていく方策を、ぜひ編みだしてほしい。(安里真己)