「神の島」といわれる南城市・久高島で、1978年を最後に途絶えている秘祭を記録した映画「イザイホウ」が2月28日~3月22日まで那覇市牧志の桜坂劇場で上映される。長らく劇場公開が封印されていた作品。7日に同劇場で試写会を開いた野村岳也監督(81)=豊見城市=は「人間の生活の原型が久高島にはある。生活が乱れた現代でこそ、広がってほしい」と話した。

神人たちが静かに手を合わせ、祈りをささげるシーン=1966年、久高島、海燕社提供

 映画は12年に一度行われる神事「イザイホー」がテーマ。島で生まれ育った女性30~41歳が神人「ノロ」を頂点とする祭祀(さいし)集団に仲間入りするための儀式だ。

 野村監督らが66年に3カ月間、島に住み込み、撮影した。半農半漁の島の厳しい暮らしぶりにもカメラを向けている。

 映画は67年に完成したが、神人らが公開を望んでいない事が伝わり、長らくお蔵入りしていた。その後、島の過疎化が進み、神人になる後継者不足のため、イザイホーは途絶えた。

 野村監督は当時の関係者が亡くなり、フィルムが劣化し記録が消えてしまう危惧から、本来はイザイホーが行われるはずのこの時期に合わせ、初の劇場公開を決めた。「神事がなくなったときの保険のために撮らせてもらったような気がする。いま公開することが、神人たちの気持ちを代弁しているように思う」

 チケットは前売り千円。桜坂劇場窓口などで購入できる。問い合わせは海燕社098(850)8485。