好きな映画の一つ、2001年公開の米国映画「アイ・アム・サム」は自閉症で知的障がいのある父親が子どもを育てるストーリー

▼養育環境に疑問を持った福祉局は子どもを里親につなぐが、親子は周囲の助けをかりて関わり続ける。映画のシーンで新鮮な驚きを感じたのは父親がスターバックスで働く場面

▼世界的チェーン店の同社は実際も積極的に障がい者を雇用していると聞く。残念ながらそんな場面は、公開から14年たった今も日本の多くの会社で当たり前になったとはいえない

▼厚生労働省の「障害者雇用実態調査」によると全国で働く障がい者は推計63万1千人と過去最多(2013年度)。だが在宅の障がい者のうち働いているのは2割程度で、就業率56・9%(同年平均、15歳以上)に比べるとまだまだ低い

▼英語のことわざ「A rolling stone gathers no moss(転がる石に苔(こけ)はつかない)」は、米国で「働き者はさびない」の意味。労働は経済的自立のみならず生き生きと暮らす手段という

▼成人の日を迎えて就職への期待を語る脳性まひの渡嘉敷光隆さんと、モヤモヤ病の玉寄菜々美さんの笑顔がまぶしかった(同年1月13日付本紙)。あしたは成人の日。私たちの社会は若者の期待にどれだけ応えることができるだろうか。(黒島美奈子)