「滅多(めった)にないこと」「貴重なこと」を意味する「有り難し」が語源とされる、感謝の言葉「ありがとう」。先日、名護市銭ケ森(じんがむい)の山肌に、縦横数十メートル級の大きな「ありがとう」メッセージが浮かんだ。東江中学校を卒業した新成人による、毎年恒例の光文字

▼今年の漢字は「礼」。新成人による光文字は、卒業生とともに20年の節目を迎え、今年が見納めとなった。文字に込められた「支えてくれた人々に感謝」の思い通り、眼下の街並みに頭を下げているよう

▼点灯式には新成人や家族、近所の人々も集まった。第1回以来、20年ぶりに駆け付けた実行委員会の初代会長は、電球を結ぶ杭(くい)打ち作業を思い出し「ハンマーの頭が飛んでいったり、手を打ったり」と苦笑い。懐かしげにオレンジ色の光を見上げた

▼広辞苑で「礼」を引くと、「謝意を表すこと」は4番手。先に「社会秩序を保つための生活規範の総称」「敬意を持った振る舞い」とある。あいさつや身なり言動と、大人としての基盤になるものだ

▼言葉を貫く大義は、第三者への思いやりであり、真心。相手のことを考えられる人間になるべく、社会の中で学び、悩み、成長する新成人の門出にふさわしい一文字となった

▼名護の冬の風物詩は、今月末から始まるさくら祭り期間まで、たくさんの感謝を送り続ける。(儀間多美子)