東京で沖縄の問題について学生向けに話すことがある。なぜ新基地建設に多くの県民が反対するのか、過重な基地負担が及ぼす影響を説明している

▼よく返ってくるのは、基地がなくなれば沖縄側が困るのでは、との疑問である。見返りに多くの国費を受けているではないかと。問いには、沖縄振興の意義や、振興予算が突出した財政移転ではないと説いている

▼予算の話は難しさもあり、納得してもらえているか、心もとなさも残る。それほど「沖縄優遇」は、積もり固まった豪雪のように溶かすのが容易でない

▼新年度予算案が閣議決定され、沖縄振興予算も固まった。5年ぶりの減額である。厳しい財政を考えれば、減額理由は理にかなっている面もある。むしろ、概算要求を上回った近年の予算の方が「異常」だったに違いない

▼政府にとって予算は、国策を進める道具にもなろう。思惑はあっただろうが、今回の減額は根拠ある適正予算に近づいたともいえる。必要額であるなら今後も、増減に一喜一憂する必要はない

▼近畿の民謡にある。〈思うて通えば五尺の雪も えらい霜じゃと 言うて通る〉。ほれた相手のもとへ行けると考えれば、1メートルを超える雪も霜と思って力強く踏み出せると。凝視すべきは額ではない。予算の先に見据える「思うて通う」に足る未来像であろう。(宮城栄作)