米軍ヘリからまた、装備品が落下した。総重量200キロを超えるミサイル装置などが落ちた、というのだから尋常ではない。住民感覚からいえば、明らかな重大事故だ。

 事故を起こしたのは、米海兵隊普天間飛行場所属の攻撃ヘリコプターAH1Wスーパーコブラ。

 15日午後、渡名喜村の出砂島射爆撃場近くの海上で訓練中に、重さ109キロのヘルファイアミサイルランチャー、65キロのミサイルポッド、34キロの燃料タンクを落とした。

 ヘルファイアミサイルは対戦車ミサイルで、その発射装置であるランチャーはミサイルを保持し誤作動が起こらないよう安全装置としての役割も持つ。ミサイルポッドは容器型発射装置だ。

 専門家が「ほかの落下物とはレベルが違う」と憂慮するように、これら重要な装備品が機体から外れて落ちるというのは、通常ありえない。

 出砂島射爆撃場は渡名喜村の入砂島にある米軍基地で、渡名喜島からの距離はわずか4キロ。

 幸い人身に被害はなかったが、直撃していればと考えるとぞっとする。普天間飛行場を飛び立ったヘリであり、事故の不安は普天間周辺の人々にも広がっている。

 沖縄防衛局を通して村に連絡があったのは事故発生から約20時間後。事故後も演習は続いていたそうだ。

 操縦士のミスか、整備不良か、それ以外の原因によるものなのか。通り一遍の再発防止策ではない抜本的対策が必要だ。少なくとも安全が確認されるまで、同型機の飛行を中止すべきである。

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 普天間飛行場に所属する同型機の事故が相次ぐ。

 昨年だけでも、3月に本島沖合で揚陸艦への着艦に失敗、8月に給油キャップを紛失、9月に係留用のリングなどを落下させている。

 米軍機全体では、沖縄国際大学へ大型輸送ヘリコプターが墜落した2004年からの10年間で300件を超える事故が発生している。

 金属の部品を空から落としても原因や責任がつまびらかにされないばかりか、HH60救難ヘリの墜落事故では、残留物が土壌を汚染し環境へ深刻な影響を及ぼした。

 県民は、この繰り返しにもう耐えられない。

 今回のような人身に被害のない落下事故は、全国紙で報じられることがほとんどないが、多発する米軍機事故は、大きな事故の「前触れ」である。県民が不安を募らせているのは、何度も死傷事故を見てきたからだ。

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 普天間飛行場を辺野古に移し負担軽減を図ると強調する安倍晋三首相の方針には、重大な点が抜け落ちている。

 沖縄に配備されている米軍機は、県外でも訓練をするため事故はどこでも起こり得る。しかし統計的に明らかなのは、配備先の沖縄の島々および周辺海域で多発している事実である。

 中央の政治家や官僚は人身事故がないと、「騒ぎ立てるほどではない」と高をくくった物の言い方をする。それこそ安全地帯にいる者の無責任な放言である。