民主党の新代表が岡田克也氏に決まった。細野豪志氏との決選投票で、国会議員らによる投票の結果、岡田氏が制した。

 安倍政権の「1強」に対抗する野党第1党として、民主党の再生には、日本の議会制民主主義の行方が委ねられているといっていい。党の再生を託された岡田氏の責任はきわめて重要である。

 民主党は2012年末の野党転落以来、「長期低迷」の状態からいまだに脱し切れていない。先の衆院選では政権奪還の選択肢を示せず、政権批判票の受け皿にもなり得なかった。

 その結果が、有権者の消極的選択による与党の大勝をもたらした。戦後最低の投票率に終わった責任は、民主党にもある。新代表の目の前にのびるのは、いばらの道だ。

 民主党が有権者の信頼を回復するために二つの取り組みを提案したい。

 まず、政権担当能力を磨くことだ。それには、外交・安全保障政策などで、安倍政権とは異なる理念と価値観に基づく政策を練り上げ、党としての対案を示すことが求められる。

 衆院選後に実施した共同通信の世論調査では、集団的自衛権の行使容認など安倍政権の安全保障政策を「支持しない」が55%と過半数を占め、憲法改正にも50%が反対だった。戦後政治のあり方を大きく変えようとしている安倍政権に国民は不安を抱いている。巨大与党を監視できる政治勢力の存在が必要だ。野党第1党の民主党にはその責務がある。

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 第二に民主党の体質や組織文化のあり方を見直すことである。与党になっても野党でも、党内が一枚岩になれず、「寄り合い所帯」とやゆされるような、ばらばら感が有権者の不信を招いていることは否めない。

 今回の代表選でも、党再建の手法や安保政策などで3候補の違いが目立った。党内に多様な意見が存在していることの反映だろう。しかし、代表選のしこりを残してはならない。党が一体とならなければ、党勢回復はおぼつかないだろう。

 指摘される日常的な活動の不十分さも改める必要がある。有権者との対話はもとより、国会議員同士のコミュニケーションを深め、政策に対する議論を丁寧に重ねることが重要だ。

 岡田新代表には意見を集約し、党内の合意を取り付ける手腕が求められる。所属議員には決まったことには従うという意識変革も必要だ。

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 民主政治には、与党に対抗する政権交代可能な野党の存在が不可欠である。今の政治状況は、「1強」の自民党に対抗する「中道リベラル」の存在が抜け落ちている。

 民主党は13年に策定した綱領で「生活者、納税者、消費者、働く者」の立場に立った改革政党をうたっている。さらに個人が尊重され多様性を認め合う「共生社会」を目指すとしている。

 社会に広がる格差を是正する政策を掲げ、安倍政権への対立軸を明確に打ち出してもらいたい。