店で菓子につまようじを突き刺したり、万引したりしているように見える動画を、インターネットに投稿するのも「表現の自由」の範囲内と思ったのだろうか

 ▼お騒がせ動画問題で、ふと連想した。フランスの風刺週刊紙の銃撃事件後に欧州で盛んに叫ばれ、続けてバンド「サザンオールスターズ」の桑田佳祐さんの「褒章」謝罪問題が起きたからだ

 ▼桑田さんは受章した紫綬褒章をポケットから取り出した行動などがネット上で批判され「感謝の表現方法に十分な配慮がなかった」などと文書やラジオで謝罪した

 ▼一昨年のライブでは世界で起きているデモ映像を演出で使った際に「日の丸にばってん」が付いたニュース映像が含まれていたからか、「反日」と非難された

 ▼突如、集中する批判の嵐は何だろうか。サザンといえば、新人のころから歌番組にパジャマやジョギング姿で登場、ジョークは茶の間でもなじみだった。世界平和を願う歌は憧れのジョン・レノンの思いを継いでいるようにみえ、反日批判は当たらない

 ▼表現の萎縮が懸念される中、桑田さんはラジオで改めて「ピースとハイライト」を流し語った。「大衆音楽を生業(なりわい)にしていると誤解や曲解は避けて通れない。われわれは腹を決めなければいけないし、覚悟していますよ」。これまで通り表現する宣言と受け止めた。(与那嶺一枝)