沖縄電力(浦添市、大嶺満社長)は電気供給に加え、吉の浦火力発電所の燃料である液化天然ガス(LNG)の卸供給、電気との組み合わせによる効率的なエネルギー構成の提案、設備の設計・施工、資金調達のサポートなど、企業向けの総合エネルギーサービスを本格化させる。すでに専門のグループを新設し、市場調査などに着手。蒸気や空調などの熱需要に強く、環境負荷が少ないLNGの特徴、災害時の電源のリスク分散などの利点をアピールし、新たな需要を掘り起こす。(長浜真吾)

沖電の総合エネルギーサービスのイメージ

 電力需要は、省エネ機器の普及や太陽光発電の普及などで伸び悩む一方、2017年度からは商業施設やホテル、病院などを新設する場合には省エネ基準を満たす必要がある。産業分野で総合コンサルティングのニーズが高まっていることを踏まえ、沖縄電力は昨年7月、事業開発部内に「エネルギー事業グループ」を発足。吉の浦火力発電所の燃料として12年から導入したLNGの活用を柱に、事業の具体化に取り組んできた。

 新サービスではエネルギーに関する相談窓口を一本化。(1)既存施設のエネルギー診断(2)補助金獲得など資金調達の助言・支援(3)新たな設備の設計や施工-に取り組み、顧客の利用形態に応じて、効率的で低コストなエネルギー構成を提案する。

 沖縄電力は大阪ガスから年間40万トンのLNGを調達。沖縄ガス(那覇市)に年間約2万トンを供給するほか、北中城村のキャンプ瑞慶覧泡瀬ゴルフ場跡地の区画整理事業地内でLNGの供給拠点を建設し、イオンモール沖縄ライカムや中部徳洲会病院向けに、年間約2千トンを供給する計画。本土ではLNGの利用が一般化し、給湯や空調など対応機材が充実している。県内でも複数の企業が導入に関心を示しているという。

 一方、LPガス事業者からは、沖縄電力のガス事業進出を警戒する声もある。同社のエネルギー事業グループは「基本的に企業向けの需要開拓が中心で、一定のインフラ整備が必要なLNGの性質上、世帯向けの供給事業は考えていない。既存のガス事業者も取引先と考えており、供給の要望があれば対応していく」と話している。