-東村高江の県道70号沿いに止まっている車に、県が先月、文書指導したと聞いたよ。何のこと?

県道沿いのテントや車を撤去するよう求める県の担当者(左)に反発する市民ら=6月28日午後2時半ごろ、東村高江

県道沿いのテントや車を撤去するよう求める県の担当者(左)に反発する市民ら=6月28日午後2時半ごろ、東村高江

 「米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設に反対する人たちが、ゲート前の県道70号沿いに車を置いて抗議活動をしているんだ。県が管理する県道に許可なく物を置いて占用することは道路法に違反しているから、どかすように文書で求めた。それが『文書指導』だよ」

 -文書指導を受けたらどうなるの?

 「文書指導は、法令に基づく強制的な手段をとらず、相手に自発的に改善してもらう行政指導の一つ。ペナルティーがあるわけではないけど、自ら改めることが求められているんだ」

 -なぜヘリパッド建設に反対しているんだろう。

 「オスプレイの訓練に使うとみられるからだよ。日米両政府は1996年、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で北部訓練場約7500平方メートルのうち約4千平方メートルの返還に合意したけど、返還されない区域にヘリパッドを建設することが条件だった。でも、当時はオスプレイ配備は知らされていなかったんだよ」

 「高江の集落を囲むように六つのヘリパッドの建設が予定され、2013~14年に二つが完成。15年にはオスプレイの訓練が始まった」

 -オスプレイは事故の危険性や騒音が問題視されているね。

 「米本土やハワイ、モロッコなどで墜落事故が相次ぎ、死者も出ている。高江では、深夜訓練の騒音で住民たちから睡眠不足や体調不良を訴える声が上がっている」

 -翁長雄志知事はオスプレイ配備に反対しているよね。県はなぜ文書指導したの?

 「車が県道を不法占用している以上、県は行政機関として適切に対処しなければならない。オスプレイ配備には反対しているけど、それと道路管理者としての立場は分けて考えなくてはいけないと判断したんだ。県はこれまで、車などを撤去するように口頭で指導してきた。昨年度は9回、口頭指導したよ」

 「ただ、やはり県としては指導に慎重にならざるを得ないというのが本音。国はそこを突いてきた。県との協議会の場で文書指導を要請。沖縄防衛局も、車が工事車両の出入りを妨げているとして3月と5月、文書で行政指導をするように県に求めた。県は文書指導する方針は決めていたけど、その後、米軍属の男が殺人などの容疑で逮捕されたことや県議選、事件を受けた県民大会と続いたこともあり、タイミングを見極めていたんだ。6月28日に高江の現場で文書を読み上げて、翌日、車の所有者に注意書を送ったよ」

 -車は撤去されたのかな。

 「まだなんだ。国は7月11日、ヘリパッドの建設資機材を基地内に運び入れて、着工することを明らかにした。現場では抗議する市民らが集まって、強制排除しようとする県警機動隊とにらみ合いが続いている」

 -県は今後、どうするの?

 「資機材の搬入が始まった11日、知事は急きょ会見を開いて『今の状況では分かりましたということにはならない』と述べた。ただ、知事はこれまでヘリパッド建設に対する明確な賛否は示していないんだ。米軍基地の大幅縮小につながる計画なのに反対するのかと批判される懸念がある。でも、着工が迫る中、知事にはよりはっきりと考えを示すことが求められているね」(政経部・安田桂子)