最終回、最後の打者を空振り三振に仕留めると、それまで表情が変わらなかったエース仲地玖礼がマウンド上でガッツポーズした。

制球に苦しみながらも粘り強い投球を見せた嘉手納の仲地玖礼(金城健太撮影)

1回裏嘉手納1死二、三塁、比嘉花道が右前適時打を放つ(渡辺奈々撮影)

制球に苦しみながらも粘り強い投球を見せた嘉手納の仲地玖礼(金城健太撮影) 1回裏嘉手納1死二、三塁、比嘉花道が右前適時打を放つ(渡辺奈々撮影)

 序盤は制球が乱れた。「投げたい球を投げられず、苦しかった」とストライクが入らず、ボール球が先行。一回1死一、三塁で美里工4番の大田浩二に適時打を打たれ、四球で出した走者をスクイズで返された。

 だがワインドアップからセットポジションに変えると、低めのツーシームなどの変化球がさえ、五回からは4回連続の三者凡退。三回以降を3安打で抑え美里工打線を封じた。

 「うれしすぎて何も考えられない」と興奮しきりだった。

 秋季大会で右肘を痛め、冬のトレーニング期間中は一球も投げずに走り込みに徹した。体重を5キロ以上減らしてスタミナを強化。連投ができるようになり、集中力が増したという。

 決勝では猛暑の中、137球を投げきり、6安打3失点と粘投した。

 「みんなが打ってくれて自分も楽に投げられた。甲子園ではまず1勝。自分の持っている力をすべて出す」と大舞台での活躍を誓った。(我喜屋あかね)

■比嘉、甲子園へ花道 先輩に恩返し3安打1打点

 準決勝までの5試合でわずか2安打だった嘉手納の2年生、5番比嘉花道がチーム最多安打の3安打1打点と奮起した。「これまで先輩に助けてもらってばかりで、きょうは力になりたかった。うれしすぎる」と会心の打撃に頬を緩めた。

 いきなりの好機でしっかり結果を残した。

 1-2の一回裏1死二、三塁、2ボール2ストライクから「何も覚えていない」ほど無我夢中に食らい付き、右前適時打を放つと、守備がもたつく間に2点目を挙げて逆転を呼び込んだ。

 当てにいったり、ボール球を振ったりしていたこれまでのバッティングを反省。低めに手を出さず、ストライクゾーンの高い球だけに狙いを絞った。

 「積極的に振っていけた」と納得の表情を浮かべた。

 初めて出場を決めた夏の聖地に向け「後悔しないよう全力で取り組んで、楽しみたい」と胸を躍らせた。(勝浦大輔)