2015年11月にできあがったばかりの「沖縄闘牛カレンダー2016」は、あっという間に完売しました。作りたい!と思ってから、迷い、悩み、いろんな人に相談し、構想から1年以上かかりました。「誰が買うの?」と心配されながら作業を続け、販売に至るまでの道のりは想像以上のものでした。
 沖縄の闘牛カレンダーを作りたいなと長年思ってきましたが、制作にはそれなりの経費が掛かります。デザイナーと打ち合わせ、見積もりを取り、ようやく腹を決めたのが2015年1月。貯金をつぎ込むため、赤字が出ないギリギリの2千円で販売することにしました。

初めて作った闘牛カレンダー2016

どこに掲示してもかっこいいと思う自慢の闘牛ポスター

初めて作った闘牛カレンダー2016 どこに掲示してもかっこいいと思う自慢の闘牛ポスター

 まずは掲載する牛を決めなければなりません。仲良しの闘牛仲間、チーム“闘牛女子”からヒアリングし、「人気度」「技のすごさ」「強さ」などを基準に、44頭を選びました。

 しかし、牛の撮影は予想以上に大変! 普段は闘う姿か、牛と牛主らとの記念写真ばかりを撮っているので、静止した姿は手元になく、一頭一頭、牛舎を回って撮影させてもらわないといけません。牛舎ごとにアポをとり、牛主に趣旨を説明。撮影日が決まっても、雨が降れば延期。夏は体力を消耗させないために、牛を日なたに出したがらない牛主が多いのですが、夕方では撮影のための光量が足りず、頭を下げてお願いするしかありません。何度も趣旨を説明してようやくOKをもらっても、台風でまた延期になるなど、天気にも翻弄されました。

 その上、闘牛関係者からの反応も決していいものではなく、「そんなに高くて売れるの?」「誰が買うの?」と心配されました。確かに、カレンダーは企業から無料でもらう機会も多く、買う人は少ないのかもしれません。心配されるたび、不安になりましたが、もう決めてしまったし、出すからには、お付き合いで買ってもらうのではなく、「絶対欲しい!」と思ってもらえる作品にしたいと自分を奮い立たせて、作業に取りかかりました。

 9月になって、ようやく全ての撮影が終了。構成とデザイン作業の一部を残すだけになったところ、急に1カ月入院しなければならないことに…。これから営業もしなければならないのに。長い入院と治療で追い詰められ、精神的にも厳しい日々が続きましたが、病床でパソコンを開き、デザイナーに何度も何度も「この部分の色を変えたい」「この牛くんのレイアウトは、もう少し左に寄せてほしい」などと、細かいところまで直しを入れ、妥協することなく制作を続けました。デザイナーは病院にも来てくれて相談に乗ってくれました。家族の支え、闘牛仲間のお見舞い、ファンの方からの励ましの言葉など、たくさんの応援をもらいました。

 そして、1年がかりで完成したのが私の個性を生かした7枚つづりのカレンダー、700部。まずは、とフェイスブックで宣伝してみると、北海道や関西から注文が入りました。商品を置いてもらえたうるま市の観光物産センターには、県外の沖縄料理店から問い合わせがあり、闘牛関係者からは、贈り物として、お歳暮の代わりとして配りたいと注文がありました。

 販売を予定していた秋の全島大会の3日前には、沖縄タイムスにカレンダー制作の記事が掲載され、問い合わせが殺到。この時点で500部が売れました。全島大会で販売すると、闘牛ファンが詰めかけて、1時間で200部があっという間。私もデザイナーも予想以上に売れたことだけでなく、闘牛ファンの皆さんがとても喜んでくれたことが何よりもうれしかったです。

 しかし、すぐに完売したことで、「購入したい」「もっと作ってほしい」といった声も殺到…。そんなわけで今年に入り、旧正月闘牛大会に向けて「2016沖縄闘牛名鑑」ポスターを制作しました。こちらも県内、県外の商業施設、食堂やお土産品店に飾っても恥ずかしくないようにスタイリッシュなデザインに仕上げました。2015年度横綱クラスの牛くんは目立つように大きく、そして今年、活躍が期待される牛30頭も掲載しましたよ。

 でも、なぜこんなに売れたのでしょうか。振り返ってみると、やはり、沖縄の闘牛界にありそうでなかった商品だったこと、いかに迫力のあるデザインにするのか絶対に妥協しなかったことが要因だと思います。闘牛へのニーズはまだまだあるのかもしれません。これからも魅力を発掘しながら、ファンを増やしていきたいと思います。


【3月の闘牛大会のお知らせ】
3月12日 ナイター闘牛大会(ゴヤ組合)、石川多目的ドーム、午後7時~
3月13日 準全島第一回弥生闘牛ダービー、 石川多目的ドーム、午後1時~
3月20日 伊波闘牛大会、石川多目的ドーム、午後1時~
3月27日 本部闘牛大会、本部闘牛場、午後1時~
4月1日から1カ月間、うるま市の海の文化資料館で「ユキと愉快な仲間たち闘牛写真展2016」開催