県内の魚の直売店が外国人観光客に人気で、売り上げが好調だ。沖縄市漁業協同組合(池田博組合長)が経営するパヤオ直売店の食堂は2014、15の両年度、いずれも前年度比で売り上げを約2千万円伸ばした。沖縄鮮魚卸流通協同組合(國吉斉理事長)運営の「泊いゆまち」各店頭でも、串焼きや刺し身などが好評を得ている。関係者は団体に加え個人客の増加を好調の要因とみる一方、地元客の呼び込みも課題に挙げる。(政経部・又吉嘉例)

マグロの解体ショーに見入る香港からの観光客ら=2015年8月、沖縄市泡瀬・パヤオ直売店(同店提供)

 沖縄市泡瀬のパヤオ直売店内食堂の売り上げは右肩上がりで増え、15年度は約2億2565万円。12年度の約1億7801万円に比べ4763万円伸びた。12~15年度の直売店の総売り上げが、それぞれ6億円弱と横ばいで推移しているのに対し、食堂の伸びが際立つ。

 人気に火を付けたのは比嘉カツオ店長らが実演するマグロの解体ショーだ。香港からの団体客の要望に応え、7年前から1日1~2回ペースで開催。解体後のマグロを好きなだけ食べてもらうやり方が喜ばれ、15年度は380回を数えた。

 比嘉店長は「ショーの様子がSNSで広がった」。団体客の口コミが広まると、3~4年前から個人客が増えてきたという。食堂には中国語と英語のメニューを用意。市の協力で無料Wi-Fiも整備した。今では海外客が過半数を占める。「目の前でさばいた安全な魚を、市場の雰囲気で食べるのがうけている」

 通訳案内業のチャイナゲートウェイ(豊見城市、周文代表)の担当者は「香港や台湾の若者を中心に、日本に来たら刺し身など、おいしくて新鮮な魚を食べたい、という要望がある」と指摘する。

 一方、那覇市港町の泊いゆまちでも、那覇港へのクルーズ船の寄港増に伴い、海外客が大型バスで訪れる回数が増えている。各店は店頭スペースにイセエビ焼きや生がき、ウニの刺し身などの海の幸を、小分けにして陳列。海外客を含め観光客がその場で味わう様子が日常となっている。

 沖縄鮮魚卸流通協同組合がいゆまち内で営む売店も外国人客の売り上げが年々伸びていて、現在では2割を占める日もあるという。ただ、國吉理事長は「本来は県内の消費者のためのいゆまち。もっと県民にも利用してほしい」と複雑な思いものぞかせる。

 パヤオ直売店の比嘉店長も「地元客が来ないと観光客も来なくなる。観光客向けだけでなく、地元客に喜ばれる店を目指したい」と話した。

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マグロの解体ショーに見入る香港からの観光客ら=2015年8月、沖縄市泡瀬・パヤオ直売店(同店提供)