過日、公表された国勢調査(2015年10月実施)の1%抽出速報によると、沖縄県の完全失業率は6.5%で前回(2010年)の11.0%よりも大幅に改善しました。ただ、全国平均も4.3%に改善しており、「完全失業率の全国平均並み」を達成することはできませんでした。また、全国最下位を脱することもできませんでした。今回の改善を分析すると、これまでのパターンとは若干異なる要因がありました(※注1)。

【図表1】完全失業率の推移。(出所)「国勢調査」「労働力調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値

【図表3】労働力人口、就業者数もそれぞれ減少 (出所)「国勢調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値

【図表4】若年層は減少、老年人口は増加  (出所)「国勢調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値

【図表1】完全失業率の推移。(出所)「国勢調査」「労働力調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値 【図表3】労働力人口、就業者数もそれぞれ減少 (出所)「国勢調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値 【図表4】若年層は減少、老年人口は増加  (出所)「国勢調査」より作成。※2015年の国勢調査の数値は1%抽出速報値

 数字の変化を紹介する前に、あらためて用語についておさらいしたいと思います。

 まず、「労働力人口」とは、15歳以上のうち「就業者」と「完全失業者」を合わせた人々を指します。「完全失業者」は、失業者のうち、求職活動を行っており、仕事があればすぐに働ける人のことです。つまり、「仕事があれば働きたいな」と思いつつも、具体的な求職活動を行っていない、たとえば主婦や学生などは完全失業者とはみなされず、「非労働力人口」としてカウントされます(【図表2】参照)。

 なお、完全失業率とは労働力人口の中で完全失業者が占める割合のことを指します。以下のような数式で求められます。

完全失業率(%)=完全失業者(人)÷労働力人口(人)×100 

 仕事を探したが見つからず求職活動をやめてしまった方は、完全失業者ではなく「非労働力人口」にカウントされてしまいます。雇用環境が厳しくなった結果、仕事探しを諦める人が増えると、雇用環境は改善していないのにもかかわらず、理屈の上では失業率が低下する場合もあります。したがって、地域の雇用環境を把握する際には、失業率だけでなく、15歳以上人口や労働力人口や就業者数の増減も留意する必要があるのです。

 ちなみに、県内の雇用環境について、①労働力人口の増加②就業者数の増加③失業者数の減少などから考えると、沖縄の雇用環境は上向き基調だといえる、と以前に紹介しました(拙稿「沖縄の雇用環境は改善傾向!? 統計データから考える沖縄地域の雇用環境」)。ただ、今回公表された国勢調査の速報値ベースでは、上述したとおり、失業率は大幅に改善しているものの、①~③に関して、若干、変化が見られました。