琉球ゴールデンキングスについて当欄で書くのはじつに久しぶり、昨年末以来およそ10カ月ぶりである。

伊佐勉監督

練習で円陣を組むキングスのメンバーら

記者団のインタビューに答える伊佐監督

伊佐勉監督 練習で円陣を組むキングスのメンバーら 記者団のインタビューに答える伊佐監督

 昨シーズンは、周知の通りレギュラーシーズンで抜群の成績を収めながら、有明コロシアムでのプレイオフ・ファィナルズに進むことができず、悔しい終わり方となった。書き手としても、大好きなチームのことをなかなか思うように書き続けられなかったので、かなり悔いが残ってしまった。

 今年はキングスにとって、大きな節目の年。サブタイトルを若干修正した上で、連載を再開することにした。

 熱烈なキングス・ファンの方も、ちょっとだけ興味のある方も、あらためてじっくりのお付き合いをお願いしたい。

 普天間・辺野古をめぐる政治状況はかつてないほどに緊迫し、わたしも気が気でなく、なかなかスポーツ取材に集中しにくい昨今ではあるが、「スポーツの現場には一切政治を持ち込まない主義」は、今後も変わらない。

 こんなご時勢だからこそ、スポーツをシンプルに思う存分楽しみたいと切に願うのでもある。

 ゆたさるぐとぅ うにげーさびら。

      * * *

 時の経つのが早すぎる。

 11月7日、8日の今季2度目のホームゲームの直前に、連載再開第1回のこの原稿をアップしようとしている。

 重要な節目としての2015-16シーズンを迎えた琉球キングス。その節目の意味が、この連載で、追い追いくっきりと明らかになるような書き方をしていきたいと思っている。

 そこでまずは、最近のホームゲームでの記者会見や練習後の単独インタビューで得た監督(これまでヘッドコーチという呼称に慣れ親しんできた読者も多いと思うのだが、シーズン初めに球団から報道関係者に伝えられたのは、リーグにおける正式な呼称は「監督」なのでこれを使ってほしいという要望があった。わたしもそれに従うことにした)や選手の言葉から、いまキングスがその球団史のなかで、どんな「位置」にいると理解したらよいのかを探ってみたい。

 キングスは、開幕以来10試合を終えた11月1日の時点で、8勝2敗(アウェイ広島で開幕2連勝、滋賀で1勝1敗、ホームで2連勝、そしてアウェイ大阪で1勝1敗、アウェイ島根で2連勝)。西地区12チーム中、堂々首位に立っている。

 周知の通り、10月17日、18日のホーム開幕戦では、沖縄市体育館にバンビシャス奈良を迎え、順当に2連勝を果たすことができたわけだが、わたしが久しぶりに監督、選手の話を聞きに宜野湾の練習場を訪ねたのは、その3日後の10月21日のことだった。

 インタビューの報告に入る前に、節目のシーズンと呼ぶ理由のひとつ、日本の男子バスケット界のリーグ統一・再編について、ここで簡単におさらいをしておく。

 2016年、ついに日本のバスケット界は統一プロリーグをスタートさせる。すでに「Bリーグ」という正式名称も決まっている。

 従来の実業団系のNBLと後発のbjリーグが合流し、プロバスケットの統一リーグが日本に誕生することになったのだ。


 つまり、2005年にスタートし、琉球キングスが2007年から参戦してきたbjリーグも今シーズンを最後に消滅するわけである。

 そんなbjリーグ最終年において、有終の美(優勝)を飾ることができるか。否応なくファンの注目度は増している。

 ちなみに、来季スタートのBリーグ(B1、B2、B3の3部制)においては、琉球キングスの1部リーグ(B1)参入が早々と、7月末に決まった。

 これまでのチーム実績や経営努力が評価された上、行政のバックアップを受けて5000人収容規模のホームアリーナを確保できるかどうか、年間2億5千万円の売り上げが望めるかどうか等々、Bリーグ側の提示した条件を、キングスが早期にクリアしたからである。

 その後、全国のチームの激しいリーグ参入競争が続き、8月末には1部リーグ18チーム、2部18チーム、3部9チームが最終決定した。

 キングスが所属する「B1」の18チームは、東地区、中地区、西地区の3地域6チームずつに分けられ、キングスは当然西地区所属。

 ライバル5チームは、NBLからアイシンシーホース三河、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、bjリーグから滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズ、大阪エヴェッサである。九州、四国、中国地方に1部チームが存在しないのは寂しい限りだが、この6チームは強豪ばかりだから、全チームの全対戦が、文字通りの注目カードといってよいだろう。

 さて、とにもかくにも、新リーク元年を目前にしたbjリーグ最終シーズン。そこに話を戻そう。

 キングスにとって大きな節目となるシーズンだという意味合いのひとつは、キングスが掲げた今シーズンのテーマ「もう一度、原点から。」に見てとれる。
 沢木耕太郎氏の真似ではないが、わたしはいつでもどこでも何に対しても「素人」であり続けたいと思っている。スポーツであれ基地問題であれ、取材するテーマ、問題、競技、人物等に関する最低限の学習を怠ってはいけないのだが、逆に何かに関して「玄人」の自負心を持つがゆえに「素朴な質問」を怠るような、そういう取材者になってしまってはやはりいけない、そんなふうにも考えている。

 去る10月21日の練習後、素人の無手勝流インタビュー。伊佐勉監督、金城茂之選手、岸本隆一選手の順で紹介したい。