読書会というものに、これまで何度か参加してきた。

作家のマルセル・プルースト『失われた時を求めて』を課題図書に開かれた公開読書会=2015年7月25日午後、北中城村島袋・OMAR BOOKS

マルセル・プルーストの作品について独自の視点で解説する編集者ら=2015年7月25日午後、北中城村島袋・OMAR BOOKS

作家のマルセル・プルースト『失われた時を求めて』を課題図書に開かれた公開読書会=2015年7月25日午後、北中城村島袋・OMAR BOOKS マルセル・プルーストの作品について独自の視点で解説する編集者ら=2015年7月25日午後、北中城村島袋・OMAR BOOKS

 主催者の方から「読書会に来てみませんか」と誘いを受けたときは、読書会がどんなものなのかも知らなかったのに、今やすっかり夢中になっている。

 集まって、本のことを語り合う。課題図書があったり、参加する人がテーマに合わせた本を持ってきたりする。会によってそれぞれ違いがあるようだ。

 私がいつも参加しているのは、北中城村にある本屋OMAR BOOKSが主催する読書会だ。というより、そこの読書会しか参加したことがないのだが、あちらこちらのカフェや図書館などで行われているという。「京都・大阪市民読書会」という会もあるとTwitterでも知った。遠く沖縄から、そっと気になっている。

 OMAR BOOKSの読書会では、課題図書を読んでくることになっている。参加者はだいたい10人ほど、進行役がひとり。「この本に帯をつけるとしたら、どんなキャッチフレーズにするか」というようなお題が出ることもある。

 だれかの言葉にそっと耳を傾ける。さまざまな場所で、さまざまな人が集まって、本について語り合っている。たぶん今もどこかで。

 7月には、この読書会をみんなに見てもらうというイベントもあった。公開読書会である。

 課題図書はプルースト『失われた時を求めて』。フランス語で3000ページ以上、日本語訳では原稿用紙1万枚。ものによっては全14巻にも及ぶ超大作だ。今回はそれを縮訳して一冊にまとめた新潮社のもの(https://www.shinchosha.co.jp/book/591003/)を読んだ。

 作家の角田光代さんと翻訳者の芳川泰久さんが翻訳を手がけている。

 この本の編集をおこなった、新潮社の楠瀬さんも出演され(沖縄まで来られたのだ)、とても盛り上がった。

 会場で、こんな話題が出た。

 訳者のひとりである芳川さんは、プルーストの本は一貫して「反知性主義」にもとづいて書かれていると言う。最近よく耳にするようになったことばで、だいたいは「教養や知性を軽んじる傾向」という意味で用いられているが、プルーストの反知性主義はそれとはまったく違っている。

 この、芳川さんが著した解説書によると「印象と感覚の直接性」だという。
 たいへんひらたく言うと、見たものや聞いたことを、感覚と印象そのままにとらえる。知性つまり頭ではなく身体のほうに重きをおく。

 そんなことになるだろうか。